FX取引に係る主なリスク

FX取引では、レバレッジの効果により預託した証拠金以上の取引が可能になる反面、預託した証拠金のすべてを失う、あるいはそれを上回る損失が発生する可能性もあります。
ここでは、FX取引に係る主なリスクについて解説します。
過去の未収金についてはこちら

レバレッジによるリスク

FX取引では、預け入れた証拠金よりも何倍もの金額の取引を行うことができます。この仕組みのことをレバレッジといいます。(個人は最大レバレッジ25倍まで)
レバレッジを利用することで自分が預け入れた証拠金以上の取引を行うことが可能になりますが、為替相場が予想と反対の方向に動いてしまった際には、レバレッジをかけない場合と比べ大きな損失が発生する可能性があります。例えば、レバレッジ5倍で取引を行う場合には、レバレッジをかけない場合と比べ損失が5倍になる可能性もあるということです。こうしたリスクを考えずに闇雲に高いレバレッジをかけて取引すると、思わぬ損失を招いてしまう可能性があるので注意が必要です。

為替変動リスク

為替相場は24時間動き続けています。刻々と動いている為替相場の変動に伴って、顧客が保有する建玉に対する評価損益の状況も変化します。為替相場が予想と反対の方向に動いた場合には、評価損益がマイナスの方向に動き、大きな損失が発生する可能性があります。
どうして為替相場が動くのかは Lesson1#3「為替相場を動かす要因」で説明したとおりですが、年末年始等でインターバンク市場の流動性が著しく低下する場合などには、短い時間に急激に変動する事象(フラッシュ・クラッシュ)が発生することもあります。このような相場急変時には、損失拡大を抑制するためのロスカット機能が十分に発動せず、場合によっては預託した証拠金以上の損失が発生することがあるので注意が必要です。

信用リスク

FX取引には、店頭FXと取引所FXがあります。(⇒店頭FXと取引所FXの違いについてはこちら
相対取引の店頭FXでは、FX業者と顧客が当事者間で取引を行い、一方でFX業者はヘッジのためのカバー取引を行っています。そのため、FX業者またはカバー先が破綻した場合には、取引中であったものが強制決済されるなど顧客に何らかの不利益が生じる可能性があります。投資者が店頭FX取引を行うにあたって、取引相手先をよく知ることは重要なことです。各社が自社のホームページで公表している店頭FX取引のリスク情報や自己資本規制比率の状況を確認することは、取引相手先のFX業者及びカバー先の信用状態を把握するために有効な方法の1つとして考えられます。(⇒店頭FX取引の未カバーポジションの情報開示(リスク情報開示)についてはこちら
なお、FX取引では、過去にはFX業者が破綻し顧客から預かった証拠金等が返還されないという事例が見られましたが、2010年2月に法令によりFX業者は顧客から預託された証拠金等を信託銀行等に金銭信託することが義務付けられたことで、現在では顧客資産の保全が図られています。(⇒区分管理信託の義務化についてはこちら

システムリスク

FX取引では、オンライン取引が主流になっています。オンライン取引の場合、FX業者または顧客側の通信機器の故障、回線等の障害、カバー先の配信障害などシステム上の原因により、一時的にあるいは一定期間取引ができないことや、取引処理が遅延するといったトラブルが発生する可能性があります。相場急変時にこうしたトラブルが発生した場合には、市場の実勢価格とかけ離れたレートで約定されるなど、顧客に不利益が生じる可能性があるので注意が必要です。
また、オンライン取引では、注文の受付から約定まで人手を介さずシステムにより自動で処理されるので、売買注文の入力を誤ってしまうと意図しない注文が約定される、あるいは意図した注文が約定されない可能性があります。オンライン取引を行う際には、入力ミスをしないように気を付けなければなりません。

金利変動リスク

FX取引では、スワップポイントの受け取りまたは支払いが発生しますが、スワップポイントは市場金利の変化に応じて変動し、場合によっては受け払いの方向が逆転することもあります。そのため、取引を始める際に期待していたようなスワップポイントを受けられない場合もあります。(⇒スワップポイントの仕組みについてはこちら
金利の変動要因には、主なものとして景気・物価・為替の動向や政策金利の変更があります。投資家は、各国の経済・金融情勢の動向に注意を払いながら、スワップポイントの付与状況を確認する必要があります。

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