#8 スワップポイントについて

スワップポイントの仕組み

FX取引では、為替レートの変動に伴い生じる損益のほか、スワップポイントの受け払いにより発生する損益を知っておく必要があります。
ここでは、なぜスワップポイントの受け払いが発生するのか仕組みを解説します。

スワップポイントとは

FX取引では、投資家は金利の異なる2つの通貨を売買しています。そのため、買って保有する通貨の金利を受け取る権利がある一方、売った通貨の金利を支払う必要があります。例えば、投資家が米ドル/円の通貨ペアで買いの建玉を保有する(米ドルを買って円を売る)場合、米ドル金利を受け取る一方、円金利を支払うことになります。一般的には、この金利差に相当する金額のことをスワップポイントと呼んでいます。

スワップポイントの金額は?

仮に円金利が1%で米ドル金利が5%として、投資家が米ドル/円の通貨ペアで買いの建玉を保有する(米ドルを買って円を売る)場合を考えます。この場合、投資家は米ドル金利の5%を受け取る一方、円金利の1%を支払うことになるので、この差(4%=5%-1%)に相当する金額をスワップポイントとして受け取ります。
上記の例とは逆に、投資家が米ドル/円の通貨ペアで売りの建玉を保有する(米ドルを売って円を買う)場合は、受け取る金利と支払う金利がそれぞれ逆になるので、この差(4%)に相当する金額をスワップポイントとして支払うことになります。
もっとも、実際には米ドル・円のどちらかの金利が動けばその金利差も変動するので、日々付与されるスワップポイントも変動します。

金利は通貨ごとに異なるため、通貨ペア(通貨の組み合わせ)によってスワップポイントも異なります。高金利通貨と低金利通貨を組み合わせると、その金利差が大きくなるのでスワップポイントも大きくなると言えます。ただし、取引対象とする通貨ペアによっては、必ずしも金利差を反映しない場合があることに注意が必要です。特に新興国通貨を対象とする取引については、インターバンク市場における需給や相場観の影響を受け易い傾向があるので、十分注意する必要があります。
また、同じ通貨ペアでもFX業者によってスワップポイントは異なるので、取引を行うにあたり確認する必要があります。

スワップポイントが付与されるタイミングは?

スワップポイントは、保有する建玉を翌日以降に繰り越す際に発生します。この繰り越しのことをロールオーバーと呼んでおり、通常ニューヨーク市場クローズ時点(米国サマータイムの場合は日本時間で午前6時)の前後に行われています(*注)。つまり、この時点で保有する建玉(未決済建玉)に対し決済日を繰り延べているのです。ここで注目すべき点は、FX取引は原則2営業日後を決済日として行う取引であるということです。スワップポイントは保有する建玉の繰越日数に応じた金額となるため、ロールオーバーを行う曜日によってはスワップポイントが異なってきます。(下図参照)
(*注)FX業者によってスワップポイントが付与されるタイミングは異なりますので、各社の取引説明書等で確認する必要があります。

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