Futures&Options

- ページ: 83
- 第5章 先物スプレッド
◦商品間スプレッド ◦原材料・製品スプレッド 各スプレッドを一般的な例とともに、説明する。さまざまな市場部門を解説する各章にお いては、特定の市場での多様なスプレッドの応用とその意義に関する情報についてより詳細 に述べる。
市場内(限月間)スプレッド
市場内スプレッド(限月間スプレッド、カレンダー ・ スプレッドまたは時間スプレッドと しても知られる)は、同一の取引所における同一の商品の売建玉に対して、限月の異なる買 建玉とで構成される。下記は、市場内スプレッドの例である。 ◦買建て7月限原油および売建て 12 月限原油 ◦買建て 12 月限小麦および売建て7月限小麦 ◦買建て6月限 T-Bond および売建て9月限 T-Bond これらは、例にすぎない。買建てと売建てのレッグを組成する商品を逆転させると、その 取引の反対側のトレーダーのポジションとなり、そのトレーダーもスプレッド ・ ポジション を保有する。ただし、慣例によって、買建てレッグは最初に特定される。これはまた、当該 商品の受渡月にかかわらず、買いの方が最初に書かれたスプレッド注文においても当てはま る。例中の受渡月もまた、説明のための例示にすぎず、スプレッドは、上記以外の受渡月か ら構築することもできる。 これらのスプレッドの関係における重要な要因は、受渡しまでの時間の差、および受渡し 時期に関連した、または予想される受渡し時期に関する需給および保管の問題であることは すでに明らかだと思われる。 最初の例では、トレーダーは、北半球における夏と冬の季節に基づく原油の需要特性と供 給特性に関する近い将来の変動に気づいているかもしれない。これらの変化は、多分同じ方 向で7月限原油および 12 月限原油に影響するだろうが、これらの価格変動は同じ大きさで はないので、スプレッド差を変化させる可能性がある。 第2番目の例は、次の収穫前後の供給に影響がある限月にかかわる。その収穫に向けての 予想および結果として起こる現実の収穫は、これらの商品の相対価値の変化を引き起こす可 能性がある。第3番目の例は、主に、長期国債(短期金利)の資金調達コストによって影響 を受けるスプレッドである。短期金利が変動すれば、スプレッドも変動し、それは債券の在 83
- ▲TOP