Futures&Options

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- 第5章 先物スプレッド
ず、各サイドはレッグとして知られる。トレーダーは、しばしばスプレッドの買建てレッグ およびスプレッドの売建てレッグという言い方をする。2以上のレッグをもつスプレッドも ある。ただし、その場合にも、スプレッドは、買建てレッグと売建てレッグの組合せである。 ほとんどのスプレッドは、各レッグの枚数が等しくなるように作られるが、つり合うように 作られるものもある。 スプレッドは、取引所の取引フロアで、まとまりで売り付けることも買い付けることもで きる。すなわち、スプレッド・ポジションは、一度にすべてのレッグにかかわる単一の取引 を行うことにより作られ、または相殺される。その場合、スプレッドは、単純にそれぞれの 商品の価格ではなく、ネットの価格差に基づいて値付けされる。しかしながら、ポジション はまた、一度に 1 つづつのレッグにかかわる取引により作られまたは相殺される。すなわち、 トレーダーは、1つの商品を買い付け、別の商品を異なる取引として売り付け、レッグごと にスプレッドを構築または分解することができる。これは、スプレッドへのレッグ構築また はレッグ分解として知られる。 相対価値の変化や個々の商品価格の変化は、スプレッドにおいては、個々の商品価格では なく、相対価値に焦点を当てるにもかかわらず、公開の市場において同時に起きている。た とえば、スプレッドの中には、そのコモディティまたは商品の価格が一般的に上昇している 場合に利益となる価格変動、すなわち、相対価値に有利な変化を見せる可能性のあるものも ある。これは、そのコモディティの価格水準が概して上昇している場合に、スプレッド差が そのスプレッドに有利に変動すると予想されるため、 「ブル・スプレッド(強気スプレッ ド) 」として知られる。 「ベア・スプレッド(弱気スプレッド) 」とは、そのコモディティの 価格が概して下落している場合、利益を得ることが予想されるものである。
スプレッド証拠金
スプレッド ・ ポジションの相対価値は、通常、商品単独の価値に比べ変動性が低い傾向が あるので、証拠金必要額が単独のポジションよりも少ない。各取引所は、単独の建玉と同様、 スプレッド(有価証券先物スプレッドを除く)に対しても証拠金必要額を定め、定めた額を 異なる種類のスプレッドのリスク負担(エクスポージャー)にも使用する。ただし、取引所 がスプレッドについてより少ない証拠金必要額を定める場合、その必要額は、スプレッド ・ ポジションが単一の取引を通じて作られるか、またはレッグ構築により作られるかどうかに かかわらず、適用される。反対に、スプレッドを通じて1レッグを相殺させることは、単独 のポジションを保持する口座における証拠金必要額を増加させることになる。
スプレッド取引に関する予防的留意事項
単独の先物ポジションよりもリスクがしばしば少ないように見えるスプレッド取引は、ト 81
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