Futures&Options

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- 第4章 先物を取引する
ローカーはその注文を成行注文と見なす。 売付ストップ注文は、現在の相場以下の価格で注文される。つまり、その商品がストップ 価格以下で取引されるか、オファーされる場合にのみ成行注文となる。 買付ストップ注文は、現在の相場以上の価格で注文される。つまり、その商品がストップ 価格以上で取引されるか、ビッドされる場合にのみ成行注文になる。そうなれば、ストップ 注文はフロア・ブローカーの手持ちの成行注文となり、その直後、最良の価格で成立する。 ストップ注文の執行価格は、トリガー価格に限らないことを理解しなければならない。そ のような注文はストップ注文が有効になった後、市場価格が何であろうと、ストップ価格よ り上または下の価格で執行できる。ストップ注文は、先物買建玉(売付ストップ注文)また は先物売建玉(買付ストップ注文)に関し、損失を制限するのによく利用される。ストップ 注文もまた、市場が主要なサポートまたはレジスタンスに達するとき、買建玉または売建玉 を新規につくるためにトレーダーによって利用される。 ストップ注文を出すことで意図される保護は、大きく見ると錯覚かもしれない場合がある ことに留意することは重要である。動きの早い市場において、ストップ価格の選択に際して 思い描いたことをはるかに超える重大な損失が生じることがある。そのような状況でストッ プ価格、あるいはそれ以上の価格でストップ注文を成立させることは、不可能ではないにし ても非常に困難なので、価格に乖離があるような市場で出すストップ注文に依存しないよう 注意しなければならない。
到達後成行注文(Market-if-Touched Order) (マーケット・イフ・タッチド・オーダー、MIT 注文、条件付成行注文)
例:売付け 10 枚 12 月限 銅 78.30 MIT 到達後成行注文(MIT(Market-if-Touched)Order.以下、 「MIT 注文」という。 )は、成 り行きで買い付けるまたは売り付ける注文である。しかし、定めた相場が指値に達した後に 限る。上記の例にある価格は、指値ではなく、トリガー価格である。もしその価格水準に達 したときは、フロア・ブローカーはその注文を成行注文と見なす。この説明は、ストップ注 文の説明と大変似ているように聞こえる。なぜなら、価格が成行注文を引き起こすために使 われるという点で、MIT 注文の仕組みがストップ注文に非常に似ているからである。主な 違いは、買付けの MIT 注文は、買付ストップと違い、現在の相場価格以下で出され、売付 けの MIT 注文は、売付ストップと異なり、現在の相場価格以上の価格で出されることである。 73
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