Futures&Options

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- 第4章 先物を取引する
写しは、その日中に取引所職員に定期的に手渡される。会員は、他の会員およびコミッショ ン・ハウス、または他の注文元と二重チェックを行うためにその写しを使用できる。 取引所の取引フロアによっては、原資産であるコモディティ、資産または指数に関連する 重要な情報が掲示されるいくつかの電子掲示板やティッカーテープがあることもある。電子 掲示板などには、しばしば、スポット提示価格や在庫、競合品の提示価格や天気図も掲示さ れる。さらに、一般のニュースあるいはコモディティ関係のニュースのティッカーテープは、 通常、フロアで利用が可能で、政府声明や主要な記者会見のようなニュースが即時に提供さ れる。
立会開始
いくつかの取引所、特にシカゴ市場では、各ピットの取引は、一般的な取引から開始され、 取引されるすべての受渡月において一斉に行われる。他の取引所では、 「コール(Call) 」に よって取引が開始される。それにより、取引開始時に手元にある最期近の受渡月のすべての 注文が順番に処理され、その後順次に次の受渡月に移る。開始のコールに続いて、同時にす べての限月の取引を行うことが取引日中を通して認められている。取引所によっては、特に 日本では、一般的な取引は定期的に中断されるので、市場が再開されるたびに追加の開始 コールがある。さらに、取引終了時には、比較的不活発な市場において定期的に有効な提示 価格を創り出すため、受渡月の取引開始に別のコールがあることがある。 伝統的には、買付けおよび売付けの顧客注文は、フロアの発注業者を代理する受注係が取 引所のフロアで、最初に受け取る。受注係はリング内の適当なフロア・ブローカーにメッセ ンジャーを通して注文を送るか、手信号で注文を伝える。近年では、電子注文経路指定シス テム(EORS:Electronic order routing systems)の出現により、注文は、発注を行う事務所 から直接取引所の取引フロアに伝達され、さらにピットにも伝達される。そして、注文はま た、その発信元に電子的に伝達されることができる。 もし注文が成行注文の場合、メッセンジャーは、通常フロア ・ ブローカーからの執行報告 を待ち、その後フロアの受注係のところにそれを持ち帰って、フロアの受注係は、自分の会 社に電話で終了した取引報告を伝える。あるいは、フロアの受注係は、ピット ・ ブローカー から手信号による確認を得る場合もある。もし注文が指値注文で、ある程度「市場価格から 離れている」場合は、メッセンジャーは、そのビッドとオファーをフロア取引会員のところ に残しておき、フロア取引会員はその注文を受けた価格と時間の順にファイルした「一包み の」未執行の注文束の中に挿んでおく。こうすることでブローカーは、価格が変動したとき に常に現在の市場価格で、またはそれに近い価格で、これらの注文をすぐに執行できる。 65
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