Futures&Options

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- ◦ローカルまたはフロア ・ トレーダー:自己勘定で取引する会員は、ローカルと呼ばれる。 この会員は、自己の資本と市場における取引技術を駆使して収入を得る。ローカルは、 フロアでのその存在と、その資本を取引に投入する意欲が市場に膨大な流動性を供給す る。 ◦フロア ・ ブローカー:他人の勘定で注文を取引する会員は、フロア ・ ブローカーとして 知られる。フロア ・ ブローカーは、ブローカー業者によって雇用され、その業者の顧客 だけのために取引を取り扱う。または、フロア ・ ブローカーは独立して、請負業者とし て複数のブローカー業者の顧客のため注文を成立させることもある。 ローカルまたはフロア ・ ブローカーであり、かつ取引所フロアで顧客業務を取り扱う者は、 二重取引を行っているといわれる。利益相反の可能性もあるため論議の的になるところだが、 有価証券先物を除き、この実務を一律に禁止する先物市場はない。しかし、二重取引の実務 を律する規制はある。これらの規則で重要なものは、顧客の注文を常に会員自身の取引より も優先させるという要件である。
取引所の取引フロア 1
米国の先物取引所の取引フロアはどれも似ている。その中心に位置するのは取引リングや ピット(通常、フロア ・ ブローカーやトレーダーが売買を行う丸形か八角形の場所)である。 さらに、すべてのビッドとオファーはオープン ・ アウトクライで行わなければならないので、 距離と騒音で話に耳を傾けるのが困難になるほど大きな取引ピットでは、ビッドとオファー は標準化された手信号で他のピットのブローカーに通知される。 ピットで取引するすべてのブローカーには、同一の取引権がある。取引が成立すると、通 常ピットに隣接した壇か台の上で業務を行っている観察・報告担当者が各取引を記録する。 取引がその取引所で記録されると、その価格は、世界中のブローカー事務所や取引センター に同時に、広く発信される。 各フロア ・ ブローカーは、取引を成立させると、取引カードに取引を記録する。取引カー ドには、取引された数量、取引相手、取引価格および取引時刻が記載される。取引カードの
[FFAJ 補完記載]
1 なぜ取引はフロアから電子に移行したのか 1990 年代以降に新設された取引所の多くは、最初から電子取引を採用したが、伝統的にフロア取引を行ってきた取 引所でも電子取引の導入が進み、特に 1997 年に BUND 先物の主要市場が LIFFE から DTB(現在の Eurex)に移った事 件をきっかけに、各種ストラテジー取引がやりやすいこと等でフロア取引を続ける CME オプション等一部の例外を除 き、主要取引所のほとんどが完全電子取引になった。その要因であるフロア取引の短所には、取引所にとって運営上の コストが高く、取引所会員にとって立会場に多数の人員を配置するコストがかかること、一方電子取引の長所には、運 営上のコストが低いことのほか、 取引のグローバル化やバックオフィスの STP 化が取引の電子化を促したこと等がある。
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