Futures&Options

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- 第3章 会計、証拠およびレバレッジ
ンをスキャンリスクで表す。図表3. 8は、買持ちの6月限のユーロ・コール・オプション におけるリスク配列サンプルに関して具体的な例を示している。 2種類以上のオプション契約を含む複雑なポートフォリオのリスクを決定するために、リ スク配列は、価値がシナリオごとに集計されうるように――並べられ、行をまたいで合計さ れ――結合される。次に、ポートフォリオ・リスクに対する 16 のシナリオのうち最も大き なリスクを採用して、ポートフォリオ全体に対する合成リスク配列について、スキャン機能 が、実行される。 前述したように、ポートフォリオ証拠金はネット清算価値とリスクという2つの要素から なる。ポートフォリオに対する証拠金賦課モデルは、後に、委託証拠金額を得るためにポー トフォリオのネット清算価値と比較されるリスク・コンポーネントを算定する。仮に、ネッ ト清算価値がリスク・コンポーネントの算定によって決定されるリスク要求より大きいなら ば、口座には証拠金の余剰があるため、この場合には、そのポートフォリオには追加証拠金 は要求されない。他方、仮に、口座のネット清算価値がリスク要求を下回ったならば、その 口座は証拠金不足のため、追加的資金を預託することを求めるマージン・コールが発せられ る。
考えてみよう
近年、先物取引所の統合が加速化している。さらに、取引所の間で、清算機関機能の統合 が検討されている。先物清算機関が1つになることの取引コスト、および委託証拠金のよう なものに対するインパクトはどのようなものか。これは業界における財務の安定性に悪影響 を与えるか。株式オプションを取り扱う米国のすべての取引所が同じ清算機関を有している ことを考慮すると、それぞれの先物取引所が独自の清算機関を有しているのはなぜだと思う か。
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