Futures&Options

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- れるすべての者を保護することにあることを覚えておく必要がある。 最初に考えなければならないのは、口座を管理する清算会員が、その顧客の未決済契約を 保護するために清算機関に預託しなければならない1契約当りの証拠金の額である。一般に、 取引所が顧客の当初証拠金として設定する額は清算機関がその会員に対して要求する当初証 拠金よりも大きい。 第2に考えなければならないことは、証拠金の対象となっている契約の現在の価格ボラ ティリティ(一定期間における価格の変動)である。特定期間にわたる先物契約の値幅は、 未決済契約のある顧客を保証する際に会社が引き受けるリスクのように、こうした期間に契 約を保有することで引き受けられるリスクをよく表している。価格が毎日かなり広い範囲で 変動するときには、当初証拠金率を価格ボラティリティが低い契約よりも高く設定するのが ふつうである。清算機関は、清算会員について証拠金の水準を設定するにあたっても、その ような価格ボラティリティを考慮に入れる。 第3に考えなければならないことは、当該顧客ポジションの種類である。たとえば、取引 所はヘッジ目的行為者のポジションに対する当初証拠金を、投機者のポジションに対する当 初証拠金よりも低く設定するのがふつうである。一般に、ヘッジ目的行為者は在庫の価値を 維持し、または先渡売付けまたは直物の売持ちに対して買建玉を引き受けている。そのうえ、 ヘッジ目的行為者は現物市場に参加している先物市場においてのみ活動している。 最終的に、必要性になったときは、ヘッジ顧客はコモディティの現物を引き渡すか、また は受け入れるためにスペキュレーターよりも、態勢が整っている場合が多い。
オプションを含むポートフォリオについての証拠金
委託証拠金は、未決済の個々の契約の証拠金を単に集計したものというより、トレーダー が有するすべてのポジションの全体的なリスクと価値をますます反映するようになっている。 この変化は、主に、オプションおよび先物ポジションに対する合理的な証拠金を設定する必 要性を反映している。しかし、さまざまなタイプのオプションのポジション(そして、先物 およびオプションを組み合わせたポジション)に固有のリスクは、先物のみを保有するリス クに比べて評価がはるかに複雑である(オプションについては第6章を参照) 。 リスク評価に基づいて証拠金の水準を設定することは、先物に関してはかなり簡単である。 単一の市場におけるアウトライト・ポジションについては、ポジションが大きければ大きい ほど、エクスポージャーが大きく、プロテクションのために要求される証拠金は大きくなる。 52
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