Futures&Options

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- ている。特に、米国においては、投資家や金融機関等の職員などデリバティブ取引業務に携 わる者が、基礎的な知識を習得しようとする場合には、取引所デリバティブ取引関係から始 めることが、非常にオーソドックスな知識習得方法であると考えられており、この『Futures and Options』では主に取引所デリバティブ取引関係をベースに作成されている。 日本語訳版の『Futures and Options』について、簡単に補足説明をする。 本書は、全9章で構成されている。 第 1 章「先物・オプション市場」では、先物市場の歴史や先物契約とは何か、先物取引 の取引高および未決済建玉の仕組み、先物市場における必須条件や先物取引とオプション取 引の活用方法等について記載されており、習得後の成果としては、先物市場が経済的な必要 性から生じたことを説明すること、先物と他の投資商品とを比較すること、近代経済社会に おける先物市場の役割を説明することができるようになることを目指している。 第 2 章「先物取引関連機関および専門業者」では、米国先物取引所の発展、現代の先物 取引所、清算機関または清算機構、実際の受渡しおよび差金決済、商品取引員およびイント ロデューシング・ブローカー、商品投資顧問および商品プール・オペレーターについて記載 されており、習得後の成果としては、先物取引所の仕組みについて説明すること、先物の財 務的健全性から清算機関(クリアリングハウス)が果たす役割を特定することや顧客への対 応から先物専門業者の役割を列挙することができるようになることを目指している。 第 3 章「会計、証拠金およびレバレッジ」では、建玉について、損益の計算方法、先物 口座の評価方法、手数料、口座報告書、証拠金について記載されており、習得後の成果とし ては、先物損益をたどるための基礎的な計算をすること、先物に対する資本要件(証拠金) の背景にある原則を説明することや SPAN 証拠金賦課の背景にある基礎的なプロセスを説明 することができるようになることを目指している。 第4章「先物を取引する」では、先物価格表を読むこと、商品および月識別記号、日次値 幅制限、買い手と売り手の出合い、注文指示事項および発注、先物取引注文の種類について 記載しており、習得後の成果としては、先物取引の価格および他の日時統計を解釈すること、 先物注文に含まれるであろう情報を列挙することやさまざまな先物注文およびトレーダーに よるそれらの用途を説明することができるようになることを目指している。 第5章「先物スプレッド」では、スプレッドとは何か、先物スプレッドの種類、スプレッ ド注文について記載されており、習得後の成果としては、スプレッドの性格を「相対価値」 ポジションとして説明すること、4種類の先物スプレッドを識別することやスプレッドの ビッドおよびオファーを説明することができるようになることを目指している。 第6章「先物オプション取引」では、先物オプション、先物取引とオプション取引、オプ ションの権利行使と本源的価値、オプションの価格表、オプションのスプレッド取引、理論 価格、手仕舞いと権利行使について記載されており、習得後の成果としては、リスク管理商 ii
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