Futures&Options

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- 品としての先物取引とオプション取引を比較すること、オプションを体系的に理解すること、 オプション価格の決定要因や、それらがオプション価格にいかに影響を与えるかを説明する ことができるようになることを目指している。 第7章「先物・オプションを使ったヘッジ」では、基本概念、先物を使ったヘッジの例、 異時点間の価格関係、ベーシスおよびヘッジ取引、EFP、クロス・ヘッジ取引、先物オプ ションを使ったヘッジ取引について記載されており、習得後の成果としては、ヘッジの背景 にある基本原則を特定すること、さまざまな現物と先物価格の関連性を説明すること、ヘッ ジャーにとってベーシスがいかに重要であるかを説明することができるようになることを目 指している。 第8章「金利先物・オプション」では、金利商品の現物市場、金利先物取引、金利先物オ プションを使ったヘッジについて記載されており、習得後の成果としては、先物契約が取引 される主要金融市場について説明すること、金利先物に適用される基本的なヘッジ概念につ いて例や図表を使って説明すること、金利先物に適用される差金決済とマーケット・バス ケット方式(適格銘柄)による受渡しの概念の関係を説明することができるようになること を目指している。 第9章「通貨先物・オプション」では、外国為替市場、為替レート、通貨先物および先物 オプション、通貨先物によるヘッジについて記載されており、習得後の成果としては、通貨 先物の基本的な先物価格決定モデルを説明すること、通貨先物取引についてのヘッジの基本 的な概念を説明すること、通貨先物およびオプション市場の対象となる主要な契約を挙げる ことができるようになることを目指している。 なお、 『Futures and Options』には、金融先物取引業協会が所管する金利および通貨以外 の有価証券、コモディティや農産物先物取引に関する記載もあるが、今回の翻訳の対象外と したため、原著である『Futures and Options』の章と翻訳本の章にずれが生じている。 また、原著である『Futures and Options』が 2009 年に出版されていることから、日進 月歩の取引所取引の現在の姿を正確に投影したものでないことにもご留意いただければと思 う。 この『Futures and Options』は、経済的なデリバティブの意義・機能にとどまらず、取 引の仕組みや契約をどのように確実に履行するかという点(証拠金制度、クリアリングハウ ス等)にも言及しており、デリバティブ取引に関心を持っている投資家にとっては「投資の 入門書」として、また、すでにデリバティブ取引に従事する者にとっては「基礎知識を確認 する参考書」としてご活用いただければ幸いである。 最後に、 『Futures and Options』の日本語訳版にご賛同いただいた、監訳者である東京大 学の神作裕之教授をはじめ、筑波大学の弥永真生教授、木村真生子教授、学習院大学の勝尾 iii
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