Futures&Options

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- スペキュレーターと受渡し
ヘッジャーと同じように、受渡期間に買建玉を有するスペキュレーターにも、受渡しの義 務がある。また、スペキュレーターが受渡通知を受け取る場合、他の誰かに受渡すプロセス の開始には、少なくとも1日間(週末である場合は、より長い期間のときもある。 )当該コ モディティを所有することになる。そして、スペキュレーターには、少なくとも受渡しおよ びその1日間の所有権に伴う支出すべてに責任がある。さらに、スペキュレーターは、口座 設定ブローカーに当該契約の全価額を支払うか、またはそのブローカーと資金調達のための 打合せをして、金利を負担しなければならない。いったん支払いがなされると、その商品は 当該スペキュレーターの財産となる。もちろん、この時点で、保管料および保険料が必要な 場合もある。もし、コモディティが当限月または期先の先物限月に再受渡しが可能になる前 に別の検査が必要にならば、その費用もまたスペキュレーターが負担しなければならない。 また、コモディティが検査で不合格になった場合は、不良品として現物市場で廃棄しなけれ ばならない。これらの理由から、並通のスペキュレーターは、先物契約に関する受渡品を受 け取ることにはほとんど無関心である。 もし最初の通知日が近づいて、スペキュレーターが、先物市場でその買建玉を維持したい 場合は、その当限月の建玉を売付け、同時に期先受渡月の同数量の契約を買い付けると受渡 しのリスクなしでその買建玉を維持することができる。このオペレーションは、先物ポジ ションのスイッチングまたはローリングとして知られる。このオペレーションはスペキュ レーターに超過手数料その他の取引費用を負担させるが、ロールオーバーは受渡しに伴うリ スクおよび費用に関する問題を解消する。
商品取引員およびイントロデューシング・ブローカー
商品取引員(FCM)
商品取引所法に基づき商品取引員(Future commission merchant.以下、 「FCM」とい う。 )として知られる先物ブローカー業者は、ヘッジャーおよび機関投資家を含む一般の顧 客 と 取 引 所 と の 間 の 仲 介 者 で あ る。 非 公 式 に は コ ミ ッ シ ョ ン・ ハ ウ ス(commission house)または口座設定業者(carrying firm)として知られる FCM は、当該取引所におい て顧客の注文を執行し、各顧客の未決済建玉、証拠金預託、金銭残高および成立した取引の 記録を作成・保存する施設や機能を提供する。FCM は、先物清算機関以外で顧客資金を保 有できる唯一の組織である。そして、FCM は、この一連の役務提供の見返りとして、手数 料を徴求する。 28
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