Futures&Options

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- 第2章 先物取引関連機関および専門業者
は、帳簿で未決済となっている各先物契約の財務上の履行を保証するが、受渡しを選ぶ買い 手が特定の商品を実際に受けることは保証しない。この保証は、以下に述べるように、清算 会員業者を通して提供される。清算会員業者の顧客が特定の受渡しに関して債務不履行にな ることがあるとしても、先物契約の条件を履行しなければならない。幸いなことに、受渡品 の引渡しまたは受取りのいずれにおいても会員業者の顧客が債務不履行となった例はほとん どない。 先物および先物オプション契約の中には、ユーロドル金利および株価指数に基づくものの ように、定期預金または有価証券のバスケットの受渡しではなく、現金の支払いで済むもの がある。第1章で説明したように、取引所は、実際の(現物の)受渡しによる決済か、差金 決済かを、すべての市場で決定する。差金決済契約の場合には、買い手および売り手が、清 算機関を通して、先物契約の満期における約定価格と原資産の現物価格または指数の差を授 受する。 現物の受渡しが必要な場合、すべての取引に対する相手方として清算機関が地位を引き受 けることによって、たとえ当事者同士が一度も取引を行ったことがないとしても、売り手は 資格のあるの買い手には直接受渡しを行うことができる。未決済の売り建玉を有する売り手 は、受渡期間中に、その建玉により求められるコモディティやその他の商品の受渡しを行う か、または同じ枚数の先物契約を買い付けて建玉を手仕舞わなければならない。 清算機関は、売り手から受渡通知を受け、買い手に当該通知を割り当てる。また、清算機 関は倉庫受取証の預託機関となり、現物コモディティの検査を手配するか、外国通貨および いくつかの金融商品については、売り手から受渡品を受け、買い手に渡す。 受渡しは、取引所によって認可され、売り手が選択した場所または倉庫で行うことができ る。先物契約の条件によって複数日が可能ならば、受渡しが行われる日を選ぶ権利もまた売 り手にある。これに対して、買い手が引渡し期間中に市場にとどまる場合、買い手にわかる ことは、いつか、どこかの認められれた受渡場所で現物の引渡しを受けるということだけで ある。なぜなら、買い手は引き渡されるコモディティまたは金融商品について、特定の日、 特定の場所、特定の様式または等級を選択することに関与しないからである。こうした考え 方は、売手選択として知られ、その価格決定への影響は後述する。 売り手が受渡しを行おうとするとき、清算機関はブローカーに指示して認められた期間内 に受渡意向通知を提出させる。この役務について、口座を設定しているブローカーは手数料 を徴求する。受渡手続や要件は、受渡し可能な財または商品の性格、一般的に行われている 25
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