Futures&Options

- ページ: 24
- としてその財務上の義務を履行できなくなった例はない。
清算プロセス
清算機関の主要業務の1つは、清算会員が提出する取引データを突き合わせることである。 清算会員は取引日ごとに、顧客に代わって会員の自己勘定取引で執行したすべての取引内容 を清算機関に提出する。当該清算機関は、すべての取引相手として代わることが可能になる 前に、売り買い両方の清算会員から取引確認記録を入手していなければならない。 現代の清算機関では、会員業者が、コンピューター間接続を使って取引の詳細データを電 子的に入力することで提供する。取引データの提出には、厳しい期限が課せられている。な ぜなら、清算機関が成立した取引ごとの売付けと買付けの記録を突け合わせることは、すべ てのデータ記録を手元に保持していなければ不可能だからである。取引内容の矛盾、あるい は取引の片方がないために合致しない取引記録は、解決するために提出した清算会員に戻さ れる。関係する双方の取引所会員は、翌朝の取引開始以前にその相違を解決しなければなら ない。このような契約はその後、1日遅れて清算される。 報告されたすべての取引が正確であることが証明され、かつ建玉について当初証拠金が預 託された場合に、清算機関は全取引の相手方に対する法的および財務上の義務を引き受ける。 すなわち、清算機関は、契約を売り付けたすべての者の買い手となり、また契約を買い付け たすべての者の売り手となる。全取引の相手方としてこのように清算機関が介入すること、 つまり清算機関が地位を引き受けることによって、トレーダーは、当初の契約の相手方が手 仕舞いの決断を下すまで待たずに自らのポジションを手仕舞いすることができる。このよう に、同一の先物契約の相殺取引を終えた場合、個々のトレーダーは、その市場義務から解放 されることも清算機関に依存する。 清算機関の帳簿上では、この2つの取引(建玉を成立させる取引とそれを手仕舞う取引) はお互いに相殺され、未決済建玉は残らない。トレーダーは相殺の原理を利用して、新規の 買付け(売付け)またはそれに続く売付け(買付け)のいずれかにかかわる相手方への義務 なしでも、自由に先物市場に出入りできる。トレーダーの買付価格と売付価格の差額は、ブ ローカーに支払われなければならない手数料控除前の当該トレーダーのグロスの損益を表す。
受渡しおよび差金決済
取引終了時までに相殺されない先物契約は、受渡しまたは差金決済により決済される。実 際の受渡しは、現物コモディティまたは金融商品の特定量の所有権の移転を伴う。清算機関 24
- ▲TOP