Futures&Options

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- 第2章 先物取引関連機関および専門業者
きなくなった場合は、清算会員自身が自己の資金を使用してどんな顧客の赤字額も補って当 該義務を履行しなければならない。これが、マージン・コールに迅速かつ全額で対応するこ とをブローカーが顧客に強く求める理由である。また各ブローカーの商品口座約諾において、 マージン・コールに迅速に応じられない場合は、当該ブローカーに顧客からの依頼がなくて もその建玉を反対売買する権利を与える理由でもある。 清算会員がその未決済建玉に関する財務上の義務を履行できない場合には、歴史上さまざ まな場面で生じたように、通常は以下のような手続が採られる。 ◦破綻した会員の帳簿におけるすべての未決済で証拠金が預託済みの顧客建玉は、支払能 力のある清算会員に移管される。証拠金不足になっている顧客建玉および当該業者の自 己建玉は反対売買される。 ◦清算機関に設定される会員の顧客口座が反対売買の結果、債務超過となる場合は、当該 会員がその清算機関に預託した残りの証拠金も顧客の建玉の不足額に充当される。 ◦破綻した会員の証拠金預託残高が十分でない場合は、その取引所会員権の売却、清算機 関保証基金に対する当該会員の寄与分の使用が可能である。 ◦破綻した会員の口座残高がそれでも足りない場合は、清算機関の剰余金があれば、清算 機関役員会の裁量で引き出すことができる。 ◦さらに必要な場合は、他の清算会員の保証基金への寄与分について請求することができ る。 ◦最終的にそれでも必要な場合は、当該清算会員以外のすべての会員に特別の負担を求め ることが可能である。つまり、 該当する会員にはそれ以前の 手続を踏まえた結果、なお不 足する保証基金の額を補うた めに、特別な比例配分で負担 することを求めることができ る。 清算機関がその義務を履行する ための清算会員の選定基準、保証 基金預託および清算機関が清算会 員を評価する能力は、各先物契約 の財務の安全性を支える。米国の 清算機関が清算会員の破綻を原因
ロンドンの国際石油取引所(FFAJ 補完:現 ICE Eutures Europe)の注文ブース 〈写真提供:International Petroleum Exchange〉
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