Futures&Options

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- 第2章 先物取引関連機関および専門業者
務・コンプライアンス、データ処理、調査および設備保守などの分野で働く。会員が支払う 取引手数料、定率会費と定額会費などの収入ならびに取引所のリアルタイムのデータへのア クセス手数料等の収入により、取引所の業務上の支出を賄う。ほとんどのオープン・アウト クライ取引所は、机のスペースおよびフロアの電話ブースの賃料によって追加収入を得てい る。
取引所会員
会員資格もしくは他の取引権、または取引所に関する特権を持つ者のみが取引所取引に参 加できる。以下では、電子取引ではなく、オープン・アウトクライの状況を中心に検討する。 ピット(八角形凹段式立会場)またはリング(円形式立会場)において自己勘定のみで取 引する取引所会員は、ローカル(地場のトレーダー)として知られる。彼らは、自己資本を 使って取引を行い、ポジションをとり、取引技術や市場分析に基づいて収入を稼ぐ。通常は、 ほとんどが短期売買トレーダーと見なされるが、ローカルは他のあらゆるトレーダーと同じ ように、さまざまなスタイルや方法を用いて取引や分析を行う。スカルパーは、頻繁に売買 を行う取引所会員であり、通常、直近に取引された価格のほんの少し下で買い付け、ほんの 少し上で売付けようとするため市場に流動性を創出する。デイ・トレーダーとは、日中は頻 繁に取引を行うが、通常その日の終了時点ではポジションをフラット(ゼロ)にする取引所 会員を指す。また、他の者のために売買注文を執行することにより手数料を稼ぐ取引所会員 は、フロア・ブローカーと呼ばれる。 一般に、取引所会員は手持ちのビッドまたはオファーについて、公開で立ち会い取引を 行った後にのみ取引を成立させることができる。フロア・ブローカーはすべての顧客注文を 執行するにあたって、細心の注意を払うことが要求される。顧客の注文を取り扱う際のミス から生じた損失は、当該ブローカー個人の負担になる。いくつかの顕著な例外を除いて、非 競争的取引(ピットで公開で行われないビッドまたはオファー)は禁止される。取引所規則 で認められていない取引に参加する会員は懲戒処分の対象となる。 自己のために取引し、さらに顧客業務も取り扱っている会員の実務は、二重取引として知 られる。取引所規則で二重取引が認められる状況はさまざまであるが、すべての取引所およ び他の規制当局は、取引所会員のまたはトレーダーの自己勘定取引よりも顧客の注文を優先 させる。
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