Futures&Options

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- たは類型の資産が、当該商品等の供給量の多くを占めていなければならない。これにより受 渡しの基準が守られ、また、価格決定機能が効果的に発揮されることとなる。先物取引の買 いも売りも、現物を見ずに行う取引なので、売りポジションから引き渡されるものが契約で 要求されている品質基準を満たしていることの保証が必要である。 さらに別の条件は、効率的な受渡しを行える仕組みがあることである。もし原資産が、原 油、金属、国債のように、貯蔵可能で運搬可能なものであれば事は単純である。取引所は差 金決済と呼ばれる契約を確立することで、この問題(および必要以上のコストや受渡しが不 自由な商品に関連する問題)に対処した。これは、受渡しにあたって、契約成立時の先物価 格と取引最終日の現物価格の差額を支払うことで受渡しとするものである。 先物取引の存続可能性に影響する最後の要素として、同じまたは同様なリスクヘッジに利 用できる流動的な市場が他にないことがあげられる。もし、1000 株からなるポートフォリ オを S&P500 の先物または先物に係るオプションにより適切にヘッジできる場合、当該 1000 株についての先物契約の需要はほとんどない。一般的に、取引所がすでに上場してい る先物と密接な代替関係のあるものを上場して、既存市場を分散化してしまうことはない。 もし、そのようなことをすれば、多くの場合複数の商品間で出来高を分散することになるう え、既存利用者の今後の取引意欲を失わせてしまうことになるからである。
先物取引とオプション取引の活用法
先物取引およびオプション取引の活用法は、ヘッジ取引と投機取引の2つに大別される。 このような取引行動についての先物取引業界の定義は、辞書の定義と同じであるが、業界特 有の文脈で理解することが欠かせない。 ヘッジ取引は先物取引をリスク管理のために利用することである。この定義によれば、 ヘッジャーは、原資産となる商品や金融商品の価格や供給量に係るリスクを負っており、先 物取引とその建玉(ポジション)はこれらのリスクを軽減するという明確な目的がある。 投機取引は先物取引をリスクテイキングのために活用することである。スペキュレーター がリスクを取る目的は明らかに利得である。この定義によれば、スペキュレーターは、先物 取引を行う前には原資産に係るリスクを持たず、先物取引の建玉(ポジション)を保有して はじめてリスクが生じる。 ヘッジ取引と投機取引はさまざまな形態をとる。たとえば「純粋な」または「在庫に係 12
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