Futures&Options

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- 第1章 先物・オプション市場
および保有量の制限がないのが一般的である。ただし、株式指数についてはこの限りで はない。 ◦ある発行体の発行済株式数は、どの時点でも決まっているが、先物または先物オプショ ン取引の建玉(後述する未決済建玉(オープン・インタレスト:open interest) )につ いては、どの時点でもそのような制限はない。 ◦株式の場合には、顧客はブローカーに株券の引渡しを求めることができるが、先物また は先物オプションには、所有証書はない。先物のポジションの文書記録としては、先物 取引の取次を行ったブローカーの発行する取引証明書があるのみである。 ◦オープン・アウトクライ方式による先物市場においては、顧客注文の取次および自己取 引を行う取引員が立会場で最良価格を競い合う。電子化されていない市場の多くはスペ シャリスト制(マーケット・メイカー制)を採っており、銘柄ごとに一個人が秩序ある 市場の担い手となっている。両者の権利や義務は異なっており、こうした事情から取引 価格に影響が生ずるときがある。 ◦米国における先物および先物オプション取引は、米商品先物取引委員会(CFTC:Commodity Futures Trading Commission) 、先物取引所および全米先物協会(NFA:National Futures Association)により規制されており、 証券取引は米国証券取引委員会(SEC : Securities and Exchange Commission) 、株式取引所、州規制当局および金融取引業規 制機構(FINRA:Financial Industry Regulatory Authority)により規制されている。
先物取引の取引高および未決済建玉(オープン・インタレスト)
市場ごとの毎日の取引高と未決済建玉(オープン・インタレスト)は、アナリストたちが 考慮しなければならない重要事項となっている。これらの数値は各市場の清算機関が取引員 より提出された取引データを基に毎日作成し、公表している。 取引高は、取引時間内の売付けまたは買付けの合計であり、売買を合算したものではない。 約定された契約には、売り手と買い手がそれぞれ存在するため、清算不能によるズレを取引 所もしくは清算機関で解決すれば、毎日の売り買いの合計は等しくなるはずである(清算不 能とは、買いもしくは売り注文を清算機関で一致させられないことをいう。 ) 。たとえば、B 氏が2月限の灯油先物を1枚買い、S氏が2月限の灯油先物を1枚売った場合、取引高は1 枚であり、2枚ではない。 未決済建玉とは、1市場での取引時間の終了時に、反対取引もしくは受渡しにより決済さ れていない建玉の合計である。新しい先物契約(または先物オプション)が新規上場された ときは、当然のことながら、未決済建玉はない。しかし、取引が進むにつれて、未決済建玉 7
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