Futures&Options

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- 先渡取引と先物取引
先渡契約(または「先渡し」 )とは、2当事者間での商品または資産を、将来の一定時点 に、一定価格で受渡しを行う合意である。一般的に農家と穀物貯蔵施設、2金融機関、また は銀行と顧客間で結ばれる契約である。先渡契約の条件交渉は、取引のつど行われる。その 条件には、受渡日、等級、商品・資産の所在地、受渡場所、信用供与条件、デフォルトの場 合の処理条件などがある。先渡取引では、契約当事者の意図に仕様を合わせることができる ため、実際の受渡しをする当事者にとって特に有効的であるが、一方その費用は高くなる場 合もある。 先渡契約と先物契約を区別する2つの最も重要な特性は以下のとおりである。 ◦先渡取引は、取引所では取引されない。その結果として、反対売買による決済も容易に は行えない。 ◦先渡取引は、一元的な清算機関によって契約執行が保証されるものではない。清算機関 が存在しないので、先渡契約の各当事者の信用度は、それぞれ他の当事者によって考慮 される必要がある。そのため、一般的に先渡取引を利用できるのは「優良な者」または 「世間に知られた者」となる。
株式取引と先物取引
先物契約と株式の主な違いは以下のとおりである。 ◦先物市場は、リスク移転と価格発見(プライス・ディスカバリー)を円滑にするために 存在する。他方、証券市場の主要な目的は、資本形成を支援することにある。 ◦先物取引においては、買建玉に見合って売建玉が存在する。先物市場においては、買建 玉よりも売建玉をもつことの方がむずかしいということはない。なぜなら株式の空売り とは異なり、直前の出来値上昇も借株のための在庫も必要なく、売建て期間内の配当金 の支払いも生じない。 ◦個々の先物契約には期限があるが、ほとんどの株式には満期がない。 ◦先物の建玉(ポジション)を維持するために差し入れられる証拠金は、契約上の義務履 行を確実にするための保証金である。株式の買付けの場合の証拠金は頭金のようなもの で、買付けコストの証拠金を上回る部分は有利子で借入れできる(先物取引の証拠金に ついては第3章を参照。 ) 。 ◦多くの先物市場には、値幅制限(価格制限)や建玉制限が存在する。値幅制限は1取引 日における先物もしくは関連したオプションの取引値幅の最大幅であり、建玉制限はあ る市場参加者が市場全体において保有できる建玉の最大値である。個別株には取引値幅 6
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