Futures&Options

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- 第9章 通貨先物・オプション
為替レートの表示方法
為替レートの表示方法は、アメリカ方式、ヨーロッパ方式またはクロスレートの3つの方 法により表示される。アメリカ方式による表示方法では、たとえば$/£のように、外国通 貨1単位当りの米ドル価格が示される。多くの新聞による英ポンドや他の英連邦加盟国通貨 の報道にはこの方式が用いられ、米国の為替相場の先物・オプションも同じ方法で表示され る。ヨーロッパ方式では、たとえば¥/$のように、1米ドルの外国通貨建て価格が示され る。インターバンク市場でのスイスフランと日本円の表示方法は通常この方式で行われる (なお、ヨーロッパ諸国の通貨が必ずしもヨーロッパ方式で表示されるものではないことに 注意する必要がある) 。クロス・レート方式の表示は、たとえば1ユーロ当りのスイスフラ
6 ンのように、米ドルが関係しない表示方法である。
アメリカ方式による表示からヨーロッパ方式による表示への変換(またはその逆)は表示 の逆数を取るだけで簡単にできる。たとえば、スイスフランが1ドル当り 1.65 と表示され ている場合(ヨーロッパ方式) 、アメリカ方式では 1/1,65 = 0.6061 と計算することで、ス イスフラン当り 0.6061 米ドルに変換することができる。これは、1米ドルを買うために 1.65 スイスフランが必要であり、同様に、1スイスフランを買うには 0.6061 米ドルが必 要だということである。
外国為替リスク
外国為替相場は一国の通貨の他国通貨建て価格なので、外国為替相場の変化は、他国通貨 が購入できる一国の通貨の量が調整されることを意味する。一通貨が他通貨との関係で減価 するとは、一通貨で買える他通貨の量が減るということである。たとえば、6月1日に1米 ドル(米)が 106 円(日本)で買うことができると仮定する。6月5日に1米ドル(米) が 102 円(日本)で買える場合には、米ドルは日本円に対して減価したこととなる。ある いは、日本円が米ドルに対して価値が上がったことになる。 政治的・経済的な不確定要因と同様に、相対価格に影響を及ぼす要因はすべて外国為替相 場に影響を及ぼす。為替レートの変動は、商品および投資の価格、そして需要に対して重要 な影響を及ぼす。外国為替変動リスクが多いものは、輸入代金支払債務と輸出代金受取債権、 外貨建ての貸付と預金、外国通貨建て証券投資などである。国際間資本移動や債権債務関係
[FFAJ 補完記載]
6 本書は、米国向けの記載であるが、本書のヨーロッパ方式(あるいはコンチネンタル方式)に相当する日本の表示方 法は「外貨建て」といわれ、たとえば、120.000 円/ドルのように、外国通貨1単位当りの日本円価格が示される。日 本において邦貨建てはあまり見かけない。
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