Futures&Options

- ページ: 152
- 相場リスクがカバーされれば、外国証券(償還期限が同一で、かつ、デフォルト・リスクも 同等のもの)の期待収益に等しいとされている。これは、次のように表すことができる。 1+i=F(1+ i*)/E iは、自国金利(単利) (いわゆる、年利×期間) i* は、外国金利(単利) (いわゆる、年利×期間) Eは、直物為替相場(自国通貨÷外国通貨) Fは、外国通貨の先物価格(自国通貨÷外国通貨) 自国金利および外国金利の期間は、先物契約の残存期間と等しいと仮定される。直物外国 為替相場および先物価格に関しては、外国通貨1単位の自国通貨建て価格で表記される。 カバー付き金利平価の原理を以下に例示する。投資家が日本債に投資すると、外国為替の 変動リスクをカバーした米国債に投資するよりも、より高い収益を得ることができると仮定 する場合、投資家は次のような裁定取引を行うと考えられる。すなわち、米国債を売り、そ の売上で日本円を買い、日本円で日本 債を買い、かつ、日本債の償還期限と 同じ時期を限月とする日本円先物契約 を売る(この結果、投資家は将来にお ける特定の相場で米ドルを日本円と交 換することができる) 。債券の償還期 において、日本円の売り代金はカバー された価格で米ドルに交換され、同時 に先物によるヘッジは解消される。先 物契約による利益(または損失)は投 資期間中に生じる日本円の価値の減価 (または増価)により相殺される。乖 離に着目した裁定取引で裁定取引人 (アービトラージャー)がそのような 価格差を利用することにより、二国間 の金利および両国通貨間の為替相場は 裁定水準に落ち着く傾向がある。
ドイツ証券取引所におけるオペレーション 〈写真提供:Deutsche Börse〉
152
- ▲TOP