Futures&Options

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- 第9章 通貨先物・オプション
インターバンク外国為替市場では、主として、為替スポット(直物)契約、先渡(以下、
5 「フォワード」という。 )契約およびスワップ契約が取引されている。
◦スポットとは、即時引渡し(通常、これは2営業日後決済を意味する。 )の外国為替相 場である。 ◦フォワードとは、将来相互が合意した時期(たとえば、契約日から 30 日後)に決済さ れる外国為替相場である。フォワードは先物と似た取引であるが、店頭市場(オー バー・ザ・カウンター)で取引される点、標準化されず個別化された契約条件による点、 一般的に為替スワップ取引における証拠金あるいはその時価調整(値洗い)は伴わず、 決済は期間満了時にのみ行われる点が異なる。 ◦スワップは、スポット取引とフォワード取引を同時に行うものである。たとえば、A銀 行がB銀行から、本日付で日本円を米ドルで買い付け、同時にB銀行に対して日本円を 米ドルで売り付けるものである。価格と取引日付は両当事者間の取引が行われる時点で 決定される。
為替レート
為替レートは、ある通貨を異なる通貨に置き換えたときの価値である。この価値は、第一 義的には、特定の通貨で買える財やサービスの量であるが、これが購買力を反映する。最も 分かりやすい形は、外国為替の購買力平価説によると、特定の財のある通貨表示での相対的 価格が他の通貨より高い場合には、その財を安い方の国の通貨で買い、高い方の国で売ると いう裁定取引(アービトラージ)が行われることである。長期的には、取引される財の相対 価格が取引国の間でほぼ等しくならなければならないという、この考え方によって、為替 レートに動きを引き起こすことになる。 金利、すなわち信用コストまたは借入金のコスト(費用)は、フォワードもしくは先物為 替相場の決定にあたって考慮されるべき重要な対価である。投資家は自国通貨建ての債券と 外国通貨建ての債券のいずれに投資するかを選択することができるのであるから、この2つ の金利の関係が、通貨フォワードもしくは通貨先物の価格の中核となる。 カバー付き金利平価モデルによれば、自国証券(たとえば債券)の期待収益は、外国為替
[FFAJ 補完記載]
5 日本の実務では、 「先物為替予約」といった用語が用いられている。 「先物」とは一般的には取引所に上場された先物 取引契約を意味するが、 「先物為替予約」が始まった当時には、取引所に上場された通貨の先物取引契約がなかったの で、このような用語法が生まれたとされている。
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