Futures&Options

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- 第1章 先物・オプション市場
先物契約の条件は、取引される取引所によって標準化されている。すなわち、先物契約に は以下の要素が規定されているのである。 ◦原資産、もしくはスポット商品(受渡供用品) :先物契約の対象となる原資産は、コモ ディティ、有価証券、通貨または指標である。スポット商品は、別名実物商品、現物商 品、現金商品と呼ばれ、略称は、実物、現物、または、現金である。 ◦契約単位:契約される原資産の量 ◦決済手続:原資産の受渡しまたは差金決済のいずれかである、原資産受渡しの場合には、 受渡しの場所(複数可)およびその他具体的な要件で評価する(差金決済では、取引期 間の最終日に、すべての建玉を特定の現物市場価格で評価する。差金決済については第 2章を参照) 。 ◦受渡期日(満期日) :買い手から売り手への支払い、および、売り手から買い手への引 渡しが契約上義務づけられている日、または差金決済が行われるべき日。 ◦契約における等級または品質:契約で定められた等級よりも高い品質や低い品質のもの を割増、または割引によって引渡しを認める場合がある。 先物契約は、取引所により定められたいずれの限月においても取引ができ、5年以上先の 取引が可能な場合もある。しかし、長期の限月をはじめとして、全限月が同水準の取引高を もつわけではなく、歴史的に見ると、特定限月の取引高が最大となっている。多くの新聞が 先物価格の相場表を掲載しているので、取引されている限月および中心限月は一目でわかる。 差金決済されず、取引最終日まで保持された建玉については、現物の受渡しが行われるこ とを覚えておくことが重要である。買い手であれば、受渡可能等級の現物が契約成立と同時 に提供された場合には、好むと好まざるとにかかわらず、その地点でその現物を受け入れな ければならない。 穀物、綿花、コーヒー、金属などの多くの現物商品については、検査され受渡しの承認を 受けた商品の在庫データを、当該商品の取引を行う取引所から入手できる。受渡しの適所に 置かれ検査されたこれらの在庫は、一般的に「確証在庫」 (“certificated stock”)と呼ばれる。 特定の商品の確証在庫高の前日比が大きければ、市場はすぐに反応する。 いくつかの先物取引の独特な特徴を明らかにするためには、先渡取引と先物取引や株式取 引を比較して、その主な違いに注意するのがよい。
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