Futures&Options

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- 第8章 金利先物・オプション
構成要素であり、また原資産である債券商品の利回りを構成するからである。
金利裁定取引
利回り曲線について考える1つの方法は、1期間の収益をより長期で複数の期間収益と等 しくなるようにすることである。1期間、無リスク商品の収益率が、投資が行われる特定の 期間にかかわらず、10%であると仮定しよう。 2期間の収益は、一期間で行った投資の収益と、次の期間に直ちに再投資した投資からの 収益すべてを合わせたものと等しくなければならない。すなわち、2期間収益は2つの隣接 する1期間収益から産み出されるものと等しくならなければならない。等しくなければ、よ り低い金利で資金を借り、より高い金利でそれを貸すことによって裁定取引は可能である。 1期間の収益率が各期間すべてが 10%の場合、2期間の合計収益率は、裁定が働くため に 15%にはならない。たとえば、100 ドルを 15%で2年間借り、1年間 10%で投資し、 貸付けの満期受取金とともに次の年に同じく 10%で再投資することもありうる。満期受取 金は1年目の終わりに 110 ドル、2年目の終わりに 121 ドルになるだろう。このとき、2 年の貸付金は 115 ドルで返済され、無リスク利益6ドルが残る。実際には、複数の期間の 収益が調節され、そのような裁定機会はなくなる。
金利先物
金利契約の先物市場価格は、特別の指数の形または額面に対するパーセントで表示される。 前者の方法は、短期(マネー・マーケット)商品の価格表示で利用され、後者は、債券の価 格表示で利用される。価格表示方法は両者ともに、その商品の価格からその直接利回りに変 換することができる。 多くの米国金利先物契約は差金決済されるが、一定の基準、たとえば一定の幅の特定の範 囲に属する償還日とコール条項(繰上償還条項)を満たす一連の有価証券の受渡しを定める ものもある。後者は、マーケット・バスケット契約と呼ばれる。図表8. 4は、主な米国金 利先物契約の重要な取引条件を示している。
短期財務省証券先物
短期財務省証券先物(Treasury bill futures.以下、 「T-bill」という。 )の価格の表示は、 国際通貨市場(IMM:International Monetary Market)指数に基づく。その指数は、100 から短期財務省証券の年率の割引利回りを引いて計算される。つまり、年率割引利回りが 141
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