Futures&Options

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- 第8章 金利先物・オプション
れらの契約の対象は、 短期(30 ~ 90 日)の政府証券および民間の預金(たとえば、翌日物 フェデラル・ファンド)から中期(2~ 10 年)債券、長期(30 年)債券にまで及ぶ。ユー レックス・ブンズ(Eurex BUND)および BOBL、CBOT の長期米国債および 10 年米国債、 CME のユーロドルおよび Euronext.liffe の短期 EURIBOR 金利契約は、世界最大の取引数量 と未決済建玉残高を誇る金利先物 ・ オプション契約である。
金利商品の現物市場
金利先物及び先物オプションについて説明する前に、原資産である金融商品の主な特徴を 簡単に概観しておくことは役に立つ。債務商品は資金の借入れや貸付けに関係する。現物債 務の市場は、やや恣意的ではあるが、次の2つのグループに分けることができる。それは、 短期金融市場(マネー・マーケット) (1年以内に満期となる商品)と資本市場(キャピタ ル・マーケット) (1年を超えて満期となる商品)である。 短期金融市場商品には、銀行引受手形、預金証書、商業手形、ユーロ市場通貨預金、フェ デラル ・ ファンド、レポ、リバース・レポおよび短期米国財務省証券がある。慣例により、 米国短期金融市場では、1年は 360 日として計算される。資本市場商品には、中期のノー トや社債、不動産担保証券(FNMA(Fannie Mae.ファニー・メイ、連邦住宅抵当金庫) 、 GNMA および CMO(Collateralized Mortgage Obligation:不動産抵当証券担保債権) 、州お よび地方債、長期および中期の米国債がある。資本市場では、1年は 365 日として計算さ れる。
金利商品の価格決定の特徴
金利を支払う金融商品が、当初割引で販売されているか、またはクーポンを付して額面価 格で販売されているかどうかにかかわらず、商品の利回りはその商品の価格が下落すれば上 昇し、価格が上昇すれば下落する。債券の流通市場では、クーポン・レートが異なるさまざ まな銘柄の最終利回りを等しくするために、債務商品の利払日ごとの一連の金利支払いとそ のときの金利水準とを比較考慮して、その債務商品の現在の価格が計算される。 その上、金利を支払う商品は、満期までの期間が異なれば、そのときの金利の変化に対す る反応の程度が異なる。一般的に、金利に一定の変化があれば、それが価格に与える影響は、 30 年物よりも 90 日物の方がはるかに小さい。すなわち、他の条件が等しければ、長期物 の価格の方が、短期物の価格よりも、金利水準の一定の変化に対してより敏感に反応する。
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