Futures&Options

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- 第 7 章 先物・オプションを使ったヘッジ
月限プットのデルタが加えられている。オプションの章では、デルタは、先物価格の一定の 変化に対するオプションのプレミアムの予想される変化と定義された。プット・オプション は、プレミアムが先物価格と負の相関関係がある(または逆方向に動く)ため、負のデルタ を有する。上記のように、ヘッジャーは、金 500 オンス買建てで、12 月限 285 プット5 枚を買い付ける。 現物金価格および金先物が 10 ドル下落することになっているなら、我々はプット・オプ ションが価値5ドル上昇すると期待するかもしれない。ヘッジが金の重量と等しい場合、 ヘッジャーが満了時の最終的なリスク保護に確信がある場合もありうるが、これはそれほど 効果的な短期ヘッジではないだろう。そのため、一部のヘッジャーは重量や数量よりも、む しろデルタによってその現物とオプション・ポジションを等しくすることによりヘッジする ことを好む。この場合、プット 10 枚は、金 500 オンスと、デルタのバランスがとれてい ることを要求される(金 100 オンスの各先物契約は、+1のデルタを有する) 。そのヘッジ を満了まで保有する計画であるなら、 「オーバーヘッジ(超過ヘッジ) 」となり、これは、オ プション2枚のプレミアムの支払いが伴う。しかし、より短期間の価格変動を中立化しよう とするヘッジャーにとっては適切な行動である。
考えてみよう
過去に、株価指数裁定取引が 1987 年の株式市場の下落を引き起こした、またそれを助長 したと考える者も中にはいた。理論的には、裁定取引は価格が収れんする前に同等の商品を 調整するので、市場中立的でなければならない。株式と先物がどのように取引されるかにつ いてあなたの知っているところでは、なぜそんなに多くの裁定機会がそのとき存在したと考 えるか。それらが、1987 年の市場現象の負の要因であった場合、その理由は何だろうか。
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