Futures&Options

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- 処するよう先物と現物との交換、すなわち略して EFP(Exchange For Physicals)と呼ばれ る特別の手続を規定してきた。歴史的に見て、EFP は穀物市場では一般的であり、現在は他 の先物市場でも広範囲に利用されている。 EFP は、ある者が現物コモディティを買い付け、同時に別の者に先物を売り付ける一方で、 別の者が現物コモディティを売り付け、同時に先物を買い付ける取引である。先物ポジショ ンの価格、先物や交換されるべき現物コモディティの数量、現物コモディティの価格や他の 条件は、先物契約で標準化されたり取引ピットで競争的に決定されたりするのではなく、当 事者間で交渉される。 EFP は、先物契約の事前合意型取引に関する一般禁止事項の例外である。言い換えれば、 EFP は、取引ピットでの取引を通さない先物ポジションの取引を認めている。通常、取引所 規則は、EFP が、原資産である現物コモディティを取引する者またはその会社にのみに利用 されることを求めている。取引所は手続が適正に利用されていることを確かめるため、しば しば EFPトレーダーを監査する。 エネルギー市場では EFP を利用する。たとえば、現物原油やガソリン、灯油の取引は、 関連のある先物価格に関して EFP がしばしば行われる。これらの価格は、通常、ベーシス の別の呼び方でもある「値差」で提示される。たとえば、あなたがアラスカ・スロープ原油 10 万バレルを買い付けたかったと仮定しよう。そうすると、18.00 ドル(この特定の原油 のバレル当りのありうる時価)の価格ではなく、 「4月限 Merc の上 50 ポイント」の価格 を提示される。これは、アラスカ・スロープ原油とニューヨーク・マーカンタイル取引所 (NYMEX:New York Mercantile Exchange)で取引される4月原油先物契約の価格との間に 50 セントの値差があることを意味する。EFP が提示されるとき、あるトレーダーは現物の 買建てと先物の売建てとなり、別のトレーダーは現物の売建てと先物の買建てとなる。 EFP は金融先物市場で同じ役割を果たす。通貨のディーラーやヘッジャー、裁定取引者は EFP を利用して、ヘッジまたは手仕舞いし、現物と先物間をスムーズに移動する。株式のト レーディングデスクは、EFP を利用して株式のバスケットを効率的にヘッジしたり取引した りする。
クロス・ヘッジ取引
クロス・ヘッジ取引は、取引市場が存在しない現物ポジションをヘッジするために、先物 市場を利用する。クロス・ヘッジ取引を成功させるための鍵は、価格の動きがヘッジ対象の 130
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