Futures&Options

- ページ: 128
- い付け、先物市場の「その在庫の保有」を選択していたかもしれない。 例: 4月1日 現物ココア 1030 9月限先物 990 ベーシス 40 オーバー
逆鞘市場は、ヘッジャーが現物価格以下の価格で、また原材料保有のための費用を出費す ることなく、安値で、先物市場において将来の受渡しのための供給物を買い付けることがで きる。また逆鞘市場は、ココアの多くの当業ユーザーによる供給に対する差し迫ったニーズ を示しているが、このヘッジャーは現在深刻なコモディティ不足にならないことに見返りが ある。
ベーシスおよびヘッジ取引
先物市場の価格構造とベーシスは、ヘッジャーにとって、価格水準以上に考慮すべき特徴 が他にもあることを示す。特に重視するのは、現物/先物ベーシスを理解し、追跡すること である。その理由は、ヘッジの正味の結果は、現物および先物ポジション間の正味の価格変 化、すなわちベーシスの変化だからである( 「ベーシス=現物-先物」の定義を思い出すこ と) 。 ベーシスは大変重要なので、アウトライト価格を表すために用いられる用語に似た言葉を 使ってその変化が示される。現物価格が先物価格よりも強い時、すなわちヘッジが保有され る期間にわたって、現物の方が先物よりも下落幅が小さい時に、ベーシスは、強くなってい ると言われている。また、現物価格が先物価格よりも弱い時、すなわちヘッジが保有される 期間にわたって、現物の方が先物よりも下落幅が大きい時に、ベーシスは、弱くなっている と言われている。
ロング・ザ・ベーシス(ベーシス買い)
売建てヘッジまたは売りヘッジは、先物市場において売建玉を持つことであると説明した。 一方ベーシス用語では、現物の買建てと先物の売建てを有するヘッジャーは「ロング・ザ・ ベーシス(ベーシス買い) 」と言うことができる。他の買建てポジションと同じく、この ヘッジャーは価格の強さ、特にベーシスの強さから利益を得る。この強さは、現物価格が先 物価格よりも強い場合、すなわち、ヘッジが保有される期間にわたって現物価格が、先物よ りも下落幅が小さい場合に生じる。前の図で説明したように、持越費用の場合において、売 建てヘッジャーは順鞘市場または持越費用の補てんに充てることが可能な支払いを受ける機 会を得られるかもしれない。図表7. 6は現物とキャリーヘッジの例を示している。 128
- ▲TOP