Futures&Options

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- 価格変動は先物契約の価格変動と異なることがあり、そしてその先物契約は受渡場所を米国 の北中西部と特定している。これらの相異は、鉄道や荷船に関する輸送問題または米国穀物 に対する外需の現状に関して起こる輸送問題によるものかもしれない。これらの要因とその 他の要因が自らのベーシスに作用すること、つまり、シカゴの穀物先物と比較したニュー オーリンズの現物穀物価格に影響することを知って、ニューオーリンズの輸出業者が CBOT の先物を利用してヘッジすることがある。 ヘッジに見合う等級や種類、またはヘッジ対象のコモディティにばらつきがあることもま たベーシス・リスクの要因である。これもまた、異なるコモディティでヘッジャーが異なれ ば、その影響の重要さも異なる。そのうちの1つが、近く発行される債券が原因で長期金利 リスクをヘッジしようとする企業の例である。この場合、この企業は社債を米国長期(また は中期)国債先物でヘッジするだろう。このヘッジャーは、同社が発行する信頼性の高い社 債と国債先物との価格関係を詳細に追跡しなければならない。 最後に、先物契約の取引単位がヘッジされる数量と必ずしも一致しないということは、完 全な価格保護を自動的にできないこととは別の要因である。たとえば、シカゴ・マーカンタ イル取引所(CME:Chicago Mercantile Exchange)の冷凍豚三枚の肉先物契約は、受渡し を冷凍三枚肉 40,000 ポンドとしている。この数量の倍数ではない数量の豚三枚肉をヘッジ することによって、現物市場エクスポージャーの一部分がヘッジ過多またはヘッジ不足とな る。
異時点間の価格関係
現物と先物価格には、上記の状況に加えて、先物・オプション市場は、現在ではない将来 の受渡しのために価格をつけるという事実から生じるベーシスおよび他の価格関係の問題が 存在する。これらの要因もまた、異なる市場の異なる重要度で影響するが、すべての先物・ オプション市場で関連している。 市場内でさまざまな先物限月の価格を見ると、これらの契約が常に同じ価格で取引されて はおらず、むしろ、互いにプレミアム付き、または割引されて取引されていることがわかる。 これらのプレミアムまたは割引は、一般的には、先物契約の期日の違いを反映する。たとえ ば、無鉛ガソリンが現物市場で1ガロン当り 0.8120 ドルで売れるとする。一方、2月限先 物は 0.8216 ドルで、3月限先物は 0.8385 ドルで取引されかねない。これらの価格の違い は公開市場で行われる結果であり、刻々と変化する市場状況によって変化する。
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