Futures&Options

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- 第 7 章 先物・オプションを使ったヘッジ
ベーシス=現物価格-先物価格
前述のとおり、現物と先物価格の関連性は、現物-先物ベーシスと呼ばれ、先物市場およ び現物市場リスクをヘッジするための先物の使用における中心的な考え方である。伝統的に、 ベーシスは次のように定義されてきた。 ベーシス=現物価格-先物価格 この定義では、正のベーシス(現物が先物を上回ると説明されることが多い)は、現物価 格が先物価格を上回ることを示し、一方、負のベーシス(現物が先物を下回ると説明される ことが多い)は、現物価格が先物を下回ることを示す。ただし、特定の「現物-先物」ベー シスを正または負と分類する場合は、適切な注意が払われなければならない。つまり、考察 の中では、同じ定義がすべての当事者に使用されることを保証する必要がある。 前述の例では、現物と先物市場の両方の価格がちょうど同じ額だけ上昇し、下落すると仮 定していた。完全な相関は完全なヘッジを生じさせるからである。これは、ヘッジが最初に 行われた時からそれが解除された時まで、ベーシスが変化しないというのと同じである。こ れは、あるとしても、めったに起こらない。現物と先物市場が価値関連性を保っているため、 2つの市場の価格が同じ方向に動く傾向はありうる。しかし、現物市場価格は、特定の期間 の間、先物価格よりも高くなったり低くなったりして変化する可能性がある。 ベーシスについて考えることは、ヘッジするためには非常に重要である。実際に、ヘッ ジャーがベーシス・リスクのために(ヘッジされない在庫またはニーズを持つ)アウトライ ト価格リスクを取引してきたと言われることが多い。この残存リスクは、ヘッジャーがリス クを軽減すると言われているが、通常はリスクを排除するものではない。 ベーシスが変化する理由の多くは、ヘッジされる特定のコモディティや商品に密接な関係 がある。異なる等級や種類のコモディティ、または異なる受渡し場所の供給と需要に関して、 さまざまな影響が及ぶ市場と経済事象は、ベーシスに強い影響を与える可能性がある。前に も強調したように、ヘッジャーはそれぞれ、その取引する現物市場と先物・オプション市場 における価格とを関連づけ、その関連性に影響する状況の変化に対応しなければならない。 先物契約の取引条件と比較するとヘッジャーの所在地は、さまざまなコモディティのベー シスに異なる影響を及ぼす1つの要因である。たとえば、メキシコ湾岸の輸出用現物穀物の 123
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