Futures&Options

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- 先物オプションの手仕舞いと権利行使
手仕舞い
満期前には、先物オプションも、先物取引と同様に建玉のある取引所において買い戻し、 または転売により決済することができる。たとえば、3月限小麦 375 プットの買建ては、 3月限小麦 375 プットを転売することで手仕舞える。オプションの建玉は、 同等のオプショ ンの反対方向の取引でしか決済できないことには注意する必要がある。つまり、プットの建 玉は、コールの建玉では決済することはできない。また、オプションの建玉を決済する場合 には、まったく同等なオプションのクラス(すなわち同じ原資産である先物契約のコールや プット)に属していることに加え、同じオプションのシリーズ(すなわち同じ満期日、同じ 権利行使価格)に属していなくてはならない。オプションを決済すると時間的価値と本源的 価値を実現することが可能であるが、オプションを権利行使した場合には、本源的価値のみ を受け取ることとなる。
権利行使
コールやプットを買付けすることは、権利行使により先物契約が成立するオプションを買 い建てることである。買い手による権利行使により、それに対応する売建ては売り手に割り 当てられる。コールの買建ての権利行使は、コールの権利行使価格で先物契約を買い建て、 先物の市場価格にオプション権利行使価格との差を加えた時価に引き直した(値洗い)価値 (コールが本源的価値をもっている限りにおいて)で評価される結果となる。コールの買建 てが権利行使されると、同じシリーズのコール(すなわち同種の先物契約を原資産とし、同 じ権利行使価格、満期日のコール)の売り方は、先物の売建てを割り当てられ、かつ建玉は 値洗いをされる。プットの買建ての権利行使は、権利行使時のプットの権利行使価格と先物 の市場価格との差を時価に引き直した(値洗い)価値(プットが本源的価値をもっている限 りにおいて)を加えた先物を売り建てる結果となる。同様に、プットの売り方はオプション
4 の権利行使価格で先物の買建てを割り当てられ、かつ建玉は直ちに値洗いされる。
オプションが権利行使されたことで成立した先物建玉が(手仕舞い取引として直ちに決済 されないで) 、未決済のままであるならば、すべての先物取引を開始する際に求められるよ うに、当初証拠金を預託しなければならない。それ以降、先物ポジションが未決済である限
[FFAJ 補完記載]
4 プットの売り手はオプションの権利行使価格を持値とする実勢比不利な先物の買いポジションを割り当てられること になる。
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