Futures&Options

- ページ: 107
- 第6章 先物オプション取引
シンセティック・ポジションが重要となる1つの理由は、トレーダーが割安な建玉を買い 建て、割高な建玉を売り建てることで、先物やオプションのポジションを複製できることで ある。たとえば、コールが、先物の買いとプットの買いに比べ割高であると仮定する。コー ルを買い建てたい市場参加者は、実際の建玉の代わりにシンセティック・ポジションを取引 することになる。二者択一的に、コールが割高とみなしている取引所のマーケット・メー カーは、それを売付け、先物とプットを買い付け、合成コールを買い建てる。マーケット・ メーカーは、このシンセティック・ポジションをコンバージョンと呼ぶ。リバーサル、また は逆コンバージョンとは、先物の売りとシンセティック・フューチャーの組合せである― コールの買付けとプットの売付け。先物・オプションのペイオフがこれらの合成関係を通じ て複製できるという事実があることも、裁定を通じてオプションと先物の価格を互いに調和 させている。これは、オプションや先物が常に効率的に価格形成されていることを意味して いる。この章の付録では、プット - コール・パリティの概念をこれらの合成関係を数式で表 すことで紹介する。
シカゴ商品取引所での取引 〈写真提供:Chicago Board of Trade〉
107
- ▲TOP