Futures&Options

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- のようである。買建てしたプットがイン・ザ・マネーになると、そのペイオフは先物取引の 売建てのペイオフのようである。このことは先物取引の建玉のペイオフを正確に複製するオ プションの買建てと売建ての組合せがあることを意味する。 先物の買建ては先物価格が上昇すると価値が上がり、先物価格が下落すると価値が下がる ことを思い出してみよう。オプションのペイオフに関しては、オプションコールの買建ては 先物契約の買建てと同じように上昇局面では価値が上がり、プットの売建てでは、先物契約 の買建ての価値が下落する下降局面ではその価値が下がる。コールの買いとプットの売りを 組み合わせることで、このように先物契約での買建てと同一のペイオフとなる。これは “ シ ンセティック・フューチャーの買い ” と呼ばれる。シンセティック・フューチャーの売りも 同様な手法で組み合わせることで組成することができる。先物の売建ては、先物価格が下落 すると価値が上がり、先物価格が上昇すると価値が下がる。プットの買建て(先物価格が下 落すると価値が上がる)と、コールの売建て(先物価格が上昇すると価値が下がる)を組み 合わせることで先物契約の売りを複製する。 満期日にシンセティック・ポジションが適当な先物契約に変わることで、シンセティッ ク・フューチャーはペイオフの観点では実際の先物契約と同じように機能する。すなわち、 満期日にはコール、プットのどちらかが本源的価値をもって満期日を迎え、権利行使されて 先物契約が成立する。同様に先物ポジションだけでなく、オプションも上記と同じような理 由で合成することができる。 合成ポジションを組成するオプションや先物の組合せをまとめると次のようになる。 先物買建て=コール買建て+プット売建て 先物売建て=コール売建て+プット買建て コール買建て=先物買建て+プット買建て コール売建て=先物売建て+プット売建て プット買建て=先物売建て+コール買建て プット売建て=先物買建て+コール売建て シンセティック・ポジションの組成には、コールとプットは同じ権利行使価格でなければ ならず、また先物契約と両オプションは同じ満期日でなければならない。しかも買い付けた オプションのオプション料と、売り付けたオプションのオプション料は同額になるはずであ り、先物契約の場合と同様にシンセティック・ポジションでは実質的に組成費用は発生しな い。
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