Futures&Options

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- 第6章 先物オプション取引
アット・ザ・マネー・プットの例を示している。ほぼすべてのオプション価値の減価はオプ ション期間の最後の数週間に起こり、時間的価値が急速にゼロへと減価する。 オプションの時間的価値の第2の要素は、原資産である先物契約のボラティリティである。 ボラティリティとは、期間を通じて先物価格がどれほど変動するかの度合いであり、変動が 大きくなればなるほど、オプションの価値が上がることになる。2つの異なる原資産で先物 契約を考えてみると、現在の価格が双方とも 100 ドルとしたときに、最初の先物契約は価 格が一度も変わらず 100 ドルのまま満期日を迎える。2番目の先物契約は連日激しく価格 が変動し、現在は 100 ドルの価格であるが、満期日には価格がいくらとなるかは不明である。 このシナリオに3通りのオプション、1つはイン・ザ・マネー(例:権利行使価格 95 ド ルのコール) 、また1つはアット・ザ・マネー(例:権利行使価格 100 ドルのコール) 、そ してもう1つはアウト・オブ・ザ・マネー(例:権利行使価格 105 ドルのコール)を加え てみる。2つの異なる先物契約を原資産としているオプションはどれほどの価値があるだろ うか。最初のオプションは簡単に評価することができる。すなわち、仮に満期時の先物価格 が 100 ドルとすると、権利行使価格 95 ドルのコールでは満期日には価値は5ドルとなる。 しかしながら、権利行使価格 100 ドルと 105 ドルのコールはまったく無価値となる。なぜ ならば、それらの本源的価値が満期日には皆無だからである。一方で、2番目の先物契約、 つまり価格変動が激しい先物契約を原資産とするオプションの価値を評価することはよりむ ずかしい。たとえば、満期日に先物契約が 150 ドルで決済される可能性と 50 ドルで決済 される可能性が同じであるとしよう。150 ドルで決済される場合には、3通りのオプショ ンとも相当の価値があることになるが、50 ドルで決済される場合には、3通りのオプショ ンのすべてに価値がなくなる。このように、オプションの価値は非常に不確実性がある。 ボラティリティは、不確実性の尺度として先物価格の変動結果を標準偏差にし、通常年率 ベースで表される。ボラティリティは無指向性で、相場の強気や弱気、価格の上昇や下落を 表すものではない。 上記の2例目では、原資産である先物契約の将来価値に関する不確定性が高まるにつれて、 そのオプションのリスクが増加することを示している。そして、より多くのリスクがあると、 オプションはより価値が上がり、よりコストがかかるようになる。 2番目の例の先物オプションの売り方は、仮に先物価格が不利な方向に動いた場合に、大 きな損失が発生してしまう極端な結果を防ぎたいと思う。また同様に、原資産である先物契 約が大きく変動するこれらのオプションの買い方は、大きな利益を得る可能性がかなりある ことから、たとえ多額なオプション料でも支払いを厭わない。実際に、高いボラティリティ 水準では、上下双方向に大きく価格が変化する可能性が高くなる。すなわち原資産となる先 101
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