Futures&Options

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- 第6章 先物オプション取引
一権利行使価格だが、満期日が異なるコールの買付けと売付けを行うコール・タイムスプ レッドは、オプションの価格表で水平線上に2つのオプション価格が並んでいるため、ホリ ゾンタル(水平) ・スプレッドと呼ばれる。これとは対照的に、ヴァーティカル(垂直) プット・スプレッド取引は、スプレッドを構成する2つのプットのオプション価格が対角線 上にある、すなわち、満期日は同一だが権利行使価格が異なる2つのプットの買付けと売付 けを行う。当然のことながら、ダイアゴナル(対角) ・スプレッドでは、権利行使価格も満 期日も異なる2つのコール(または2つのプット)の買付け、売付けを行う。その場合、同 スプレッドの2つの個別のオプション建玉(レッグ)の価格はオプション価格表の対角線上 にある。
オプションの理論価格
1970 年代半ば以来、オプション評価理論(式)とその応用は洗練さと利用し易さの面で 進化してきた。オプション価格決定モデルは非常に複雑であるが、優れたソフトウェアがあ り、オプションの理論値を計算して、オプション・ポジションのリスクの測定と管理を助け ている。オプションの評価理論を理解するうえでの第一歩として、これらの価格決定要因を 理解し、価格決定要因が変化することでオプションの価格にどのような影響を与えるかを理 解する必要がある。先物オプションの価格に直接影響を与える要因は以下のとおりである。 ◦先物価格 ◦オプションの権利行使価格 ◦残存期間 ◦先物価格のボラティリティ 前述の要因はオプション価格に影響を与える主な要因であるが、原資産となる先物価格に 影響を与えるすべてのもの、たとえば原資産商品の供給や需要、金利、株式オプションであ れば配当もまたオプションの価値に影響を与える。
本源的価値
前述のように、満期日に、もし原資産である先物価格とオプションの権利行使価格に差が あると、その差から生じる価値がオプションの本源的価値である。原資産である先物価格と オプションの権利行使価格の差から、そのような価値が生じるからである。もっとも、満期 日前には、オプションはほとんどの場合本源的価値以上の価値をともなう。
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