Futures&Options

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- 第6章 先物オプション取引
オプション建玉の損益分岐価格は、オプション契約の権利行使価格、すなわち、原資産で ある先物価格に、そのオプションのために受け払いした金額を加減した価格である。この価 格はオプションのオプション料と権利行使価格から簡単に計算される。コールの場合、コー ルの損益分岐価格は、オプション価格を権利行使価格に加えたものである。プットの場合、 プットの損益分岐価格は、権利行使価格からオプション価格を差し引いたものである。たと えば、5月限銀のコールオプション料が 15 セント/トロイオンス、権利行使価格 425 セ ント/トロイオンスの場合は、損益分岐価格は 440 セント/トロイオンスである。反対に、 7月限小麦のプットオプション料が 12 セント/ブッシェル、権利行使価格が 340 セント /ブッシェルの場合は、損益分岐価格は 328 セント/ブッシェルとなる。
オプションの権利行使と本源的価値
オプションを評価する重要な考え方は、オプションが権利行使され先物契約が成立し、直 ちに手仕舞いされた場合の価値である。すなわち、コールを権利行使して先物を買い建て、 それを同種の先物で転売したり、プットを権利行使して先物を売り建てて、それを買戻すこ とである。この価値はオプションの本源的価値、または権利行使価値とも呼ばれている。 コールオプションの場合、それは先物価格がオプションの権利行使価格を上回っている限り においては、先物価格と権利行使価格の差となる。 (先物価格が、コールの権利行使価格よ り低い場合には本源的価値はない) プットの場合の定義は逆となる。なぜかというと、先物価格が下落すればプットオプショ ンは価値が上昇するからである。つまり、先物価格が権利行使価格を下回る限り、プットの 本源的価値は権利行使価格と、その原資産である先物価格との差となる。これらの定義は以 下のように表すことができる。 先物価格>権利行使価格の場合、コールの本源的価値=先物価格−権利行使価格、逆の 場合は、コールの本源的価値は0 権利行使価格>先物価格の場合、プットの本源的価値=権利行使価格−先物価格、逆の 場合は、プットの本源的な価値は0
イン・ザ・マネー、アット・ザ・マネー、アウト・オブ・ザ・マネーのオプション
前述の議論/解説では、オプションのペイオフ図を含めて、オプションの権利行使価格は、 オプションの買付けまたは売付けがされた時点の先物価格と同一であるとの暗黙の仮定をお いていた。ただしそれはそうである必要はない。実際には、オプションは、先物価格とオプ ションの権利行使価格との関係に基づいて、3つの態様のいずれかで説明することができる。
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