Futures&Options

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- オプション料を支払う必要があり、オプション建玉のペイオフを計算する場合にはオプショ ン料を勘案しなければならない。先物契約が成立したときには、買い方と売り方の間でいか なる支払いもない。 コールオプションの買建てペイオフ図を検討する前に、図表6. 1にある満期時における 先物取引の買建てペイオフ図を再度検討することは有益である。前述したように、仮に先物 価格が取引成立時の価格よりも上回っていれば、先物の買建て(買い方)は利益となり、も し価格が下落すれば損失 となる。2つの軸が交差したグラフの原点は、先物取引が成立し た時点での価格であり、よって水平軸にそった変化は先物価格の変化を示している-原点か ら右は価格の上昇、左は下落―。図表6. 2に示されている満期日のコールオプションの買 建て(買う権利)は多少異なる。 仮に先物価格が上昇した場合、コールの買建て保有者はそのオプションのために支払った オプション料を除いた利益を得ることになるので注意しなければならない。コールオプショ ンの損益分岐価格は、権利行使価格にオプション価格をプラスした価格である。先物ポジ ションでは、損益分岐価格は取引が成立した時点の価格である。仮に先物価格が下落した場 合でも、オプションの保有者は購入したオプションのオプション料以上に損失を被ることは ない。これは、オプションの保有者がオプションを権利行使して利益となるまで権利行使は せず、また先物価格がオプションの権利行使価格より下にある場合は、コールオプションを 権利行使することは決して利益とならないためである。オプションのペイオフ図で明確な点 は、取引成立時の価格をグラフの原点とせず、正しくは、オプション料をペイオフ線の水平 部分と、水平線ないしはX軸との垂直幅で表す。すなわち、それがオプションを買い付ける 金額である。 プットの価格計算は、満期日の先物契約の売建てのペイオフ図との関係で理解することが できる。図表6. 3にあるように、先物の売建ては、先物価格が取引成立した価格より下落 した場合に利益となる。また、価格が上昇した場合には損失となる。プットオプションの買 建て(ロング)の満期日のペイオフ図が図表6. 4である。プットの満期日に、図表6. 4の 原点であるオプションの権利行使価格より先物価格が低い場合は、プットオプションの買建 てには価値がある。先物のプットの損益分岐価格は、先物の価格からそのプレミアムを差し 引いた価格である。先物価格がオプションの権利行使価格より高い場合は、満期日における プットオプションの価値はなく、購入者の損失はオプション料のみである。 コールの売建てのペイオフ図(図表6. 5)は、コールの買建てのペイオフ図の左右対称 の鏡像である。 92
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