#9 ロスカット取引について

ロスカットの仕組みと留意点

ロスカットとは、損失が一定の水準に達した時に自動的に取引を終了させて、証拠金以上の損失発生を防ぐ仕組みです。
FX取引では、個人顧客が取引を行う場合、法令によりロスカットが義務付けられています。
ここでは、その仕組みや留意点について解説します。

ロスカットの仕組み

FX取引では、刻々と動いている為替相場の変動に伴って、保有する建玉に対する評価損益も変化します。自分の予想とは反対の方向に相場が動いてしまうと、評価損益がマイナスの方向に動き、大きな損失が発生する可能性があります。ロスカットは、このような損失の拡大を防ぐため、評価損が一定の水準に達したときに自動的に取引を終了させる仕組みです。個人が行うFX取引では、法令によりロスカットが義務付けられており、各社の契約締結前交付書面等にはロスカットを実行する水準などに関する取り決めの内容が記載されています。(⇒ロスカット規制についてはこちら

ロスカットの留意点について

・ロスカットは、損失が一定の水準に達した時に自動的に取引を終了させる仕組みですが、いかなる場合にも一定の損失額に限定されるものではありません。通常、損失の額が予め決められた水準に達した時からロスカット実行の手続きが始まるため、ロスカットの判定と実行のタイミングの違いにより、それぞれのレートが異なる場合があります。そのため、想定していた損失よりも大きくなる場合があり、また、為替レートの急激な変動やスプレッドの拡大など相場の状況によっては、証拠金以上の損失が発生してしまう場合もあるので注意が必要です。
*ロスカットが有効に機能ぜず証拠金以上の損失が発生した実績については、「過去の未収金」をご参照ください。

・「両建てをしていれば相場が急変しても損益が相殺されロスカットが実行されることはない」と考える人もいるかもしれませんが、そうとも限りません。FX業者が顧客の評価損益を計算する場合には、通常、買い建玉はビッドレート、売り建玉はオファーレートを用いて計算します。そのため、スプレッドが突然拡大してしまうと、ロスカットが実行される可能性があるので注意が必要です。

・ロスカットを実行する水準は、各社ごとに異なります。FX取引を行う際には、契約締結前交付書面等をご覧になり、ロスカットに関する取り決めがどのような内容となっているか確認する必要があります。

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