#7 スプレッド、手数料について

FX取引にかかるコスト

FX取引にかかるコストとしては、「スプレッド」と「取引手数料」の2つをあげることができます。
ここでは、「スプレッド」と「取引手数料」について解説します。

スプレッドと取引コストの関係

ニュース等で為替レートが伝えられる際、「1ドル107円10銭~15銭」というように表現されます。この場合は「インターバンク市場で1ドルを買う時の値段が107円15銭、売る時の値段が107円10銭」という意味になります。このような買値と売値の差(5銭=107円15銭-107円10銭)をスプレッドといいます。
例えば、上記の場合で、1万通貨を買値(Offer)の1ドル107円15銭で買い、同時に1万通貨を売値(Bid)の1ドル107円10銭で売ったとすると、この買いと売りに伴うスプレッドによる取引コストは、5銭 × 1万通貨 = 500円ということになります。
なお、スプレッドは、早朝インターバンク市場の流動性が低下した時などには広がる場合もあり、取引コストも常に一定で不変ということにはなりません。

取引手数料について

取引手数料は、取引に際してFX業者に支払うものです。スプレッドとは異なり、一般的には取引通貨数量などに応じてあらかじめ金額が決まっています。
手数料の徴収方法として、取引を行うごとに証拠金などから差し引く方法のほかに、例えば、システムトレードの利用手数料としてスプレッドの中に組み込む形で徴収する「マークアップ手数料」というものがあります。
これは、取引手数料を為替レートに反映させる仕組みで、手数料分をスプレッドの中に組み込む形で徴収する方法です。

【例示】マークアップ手数料が1銭の場合
ドル円を110円00銭で買うという注文を出した。→実際の取引では、110円01銭で買いが約定する。

スプレッド実績の公表

FX取引を行うにあたって、スプレッドに関する情報は、種々の取引情報の中でも、投資家にとって関心の高いかつ重要な情報として位置づけられます。そのため、多くの店頭FX業者は、自社の提示するスプレッドに関する広告を行っています。
協会規則では、店頭FX業者がこのような広告を行う場合、スプレッドの実績に関する情報を自社のホームページで公表することを義務付けています。(施行日:2020年12月1日)

スプレッドが拡大するケースについて

主に以下のような要因によって、スプレッドが拡大する場合があります。

【1.流動性の低下】
インターバンク市場の流動性が低下すると、カバー先からFX業者に提示されるスプレッドが広がる場合があります。それに伴って、FX業者が顧客に提示するスプレッドも広がる場合があります。特に主要国の祝祭日(クリスマスなど)や、早朝の時間帯は取引量が減るため注意が必要です。
また、新興国通貨はインターバンク市場での流動性が低く、スプレッドが広がりやすい傾向があります。新興国通貨の特徴については、もっと知りたいコーナーの「新興国通貨について」をご参照ください。

【2.為替相場の急変】
為替相場の急変時にもスプレッドが拡大する傾向があります。
米国雇用統計などの重要経済指標の発表の前後や、テロや大震災などが発生した際のスプレッドは、平時よりも広がっている場合があります。

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