#3 証拠金取引とレバレッジ効果について

FX取引の証拠金とは?

FX取引は、証拠金を預託してそれ以上の額の取引を行うことが可能ですが、その反面、預託した証拠金の額を上回る損失を被る可能性があります。
ここでは、証拠金とレバレッジ効果について解説します。

証拠金の預託

個人投資家がFX取引を行う際には、法令等に基づきFX業者(取引相手先)に証拠金を預託することが必要です。(FX取引に係る証拠金規制の詳しい説明はこちらをご覧ください)

(1)新規取引を行う場合
取引額(想定元本)の4%以上の証拠金を預託する必要があります。

【例】
US$10,000.00を1米ドル100円00銭で新規に買う場合、
取引額(想定元本)は、US$10,000.00×100円00銭=1,000,000.00円
FX業者に証拠金40,000円(1,000,000.00円×4%)以上を預託する必要があります。

(2)証拠金に不足が生じた場合
営業日毎の一定時刻(以下、「判定時刻」という)において、実預託額(*1)が維持必要預託額(*2)に不足する場合は、速やかにその不足額を預託する、または既存取引を決済する方法によりその不足額を充当する必要があります。
*1 証拠金の額に、取引を決済した場合に顧客に生ずる利益の額(評価益)を加え、または取引を決済した場合に顧客に生ずる損失の額(評価損)を減じて得た額(未払手数料については、既に確定したものは、実預託額から控除されます)
*2 取引額(想定元本)に4%を乗じた額

【例】
上記(1)【例】のケース(FX業者に預託する証拠金は40,000円)で1米ドル100円00銭でUS$10,000.00の買いポジションを保有する場合、判定時刻において、円高が進行して1米ドル99円00銭であるとすると、(99円00銭-100円00銭)×US$10,000.00=▲10,000円が評価損となります。
この時、実預託額は30,000円(証拠金40,000円₋評価損10,000円)となり、維持必要預託額(40,000円)に10,000円不足することとなります。(注)
したがって、FX業者に当該不足分の▲10,000円を預託する、または既存取引を決済する方法により当該不足額を充当する必要があります。
(注)未払手数料などその他の要因は、考慮しないものとします。

レバレッジ効果

「取引額が証拠金の何倍か」を示した数字のことをレバレッジと言います。FX取引では、預託した証拠金以上の取引が可能であることから、少額の資金で多額の取引を行えることで投資効率が高まりますが、それにより良い面と悪い面があります 。レバレッジ効果のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

100万円の証拠金で、レバレッジ1倍とレバレッジ5倍となる取引をそれぞれ行った場合を例に見てみましょう。
【1米ドル₌100円00銭】
■レバレッジ1倍の場合:US$10,000.00(100万円)の買い取引を行うことができ、
→1米ドル101円00銭で決済すると10,000円の利益
→1米ドル99円00銭で決済すると10,000円の損失となります。
■レバレッジ5倍の場合:US$50,000.00(500万円)の買い取引を行うことができ、
→1米ドル101円00銭で決済すると50,000円の利益
→1米ドル99円00銭で決済すると50,000円の損失となります。

このように、同じ証拠金であっても、レバレッジの大小によって損益の結果は異なります。レバレッジを利用すると、利益も大きくなりますが、その反面、損失も大きくなりますので注意が必要です。

証拠金を超える損失の発生

前述のとおり、FX取引では、レバレッジが高いと利益も大きくなりますが、その反面、損失も大きくなります。そこで、FX業者は、損失の拡大を防ぐため、あらかじめ顧客と約した水準で、保有するポジションを自動的に決済すること(これを「ロスカット」といいます。)が法令などで義務付けられています。(ロスカット規制についての説明はこちらをご覧ください。)
ただし、為替相場の急変やシステム障害の影響を受ける場合などには、証拠金以上の損失が発生する可能性があるので注意が必要です。

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