#4 店頭FXの配信レートについて

価格生成の仕組み

店頭FX取引では、FX業者のビジネスモデルにより価格生成の仕組みは異なります。
そのため、配信レートは各社ごとに異なると言われています。

ここでは、価格生成の仕組みや約定方法について解説します。

カバー取引

店頭FX取引では、顧客とFX業者が直接取引(相対取引)を行いますので、店頭FX取引による顧客の利益は、そのままではFX業者にとって損失となってしまいます。そこで、FX業者は、顧客の注文に応じて、自らも銀行等の金融機関に対して、同様の注文を行い、リスクをヘッジしています。このヘッジ取引のことを、カバー取引といいます。

ただし、全てのFX業者が同じようにカバー取引を行っているわけではなく、どのような頻度でどのような額をカバー取引しているかは、FX業者によって異なります。ディーラーが間に入って顧客の注文状況や相場を見ながらカバー取引を行っているところもあれば、ディーラーを置かずにシステムで自動的にカバー取引を行っているところもあります。
FX業者が顧客注文を成立させる一方、金融機関に対して同じ数量のカバー取引を行っていない間は、その分だけ顧客との間に利益相反関係が残るとも言えます。このような未カバー部分については、FX業者自身のホームページで毎月公表されています。

マリー取引

マリー取引とは、FX業者が自社内で顧客の同一通貨の売り注文と買い注文を結びつけることによって持高を相殺することをいいます。
例えば、ドル円取引で買い注文が50万通貨、売り注文が40万通貨あるとします。この時、FX業者では買いと売りの注文(各40万通貨)を相殺することができます。FX業者は、マリー取引で相殺することができなかった分(買い注文10万通)をカバー取引すれば、リスクヘッジできることになります。

ビジネスモデルの違いによる配信価格

店頭FX取引では、FX業者のビジネスモデルの違いにより、カバー取引やマリー取引の方法が異なります。ビジネスモデル毎の配信価格の生成の仕組みや約定方法については、下図をご参照ください。

*店頭FX取引では、FX業者のビジネスモデルの違いにより、カバー先(生成元となるレートを取得する先)や、価格生成ロジックも異なるため、配信されるレートは異なります。
*また、相場急変時等には、カバー先からの配信レートが停止されることやカバー先からの配信レートのスプレッドが拡大することもあり、FX業者が配信するレートもこれらの影響を受ける可能性もあることには注意する必要があります。

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