Futures&Options

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- 係データを有し、それに適切に重み付けしているとする。市場全体の分析結果は、価格と資 本のフローに表されるので、テクニカル・アナリストはこれらだけに焦点を当てる。つまり、 テクニカル・アナリストは、その分析作業で価格や取引量、未決済建玉といった市場の動き だけを使う。大量のこれらの数的データは図で簡単に示すことができる。こうして、チャー トやグラフは、テクニカル分析と同義語になった。テクニカル分析の主な最終目的は、傾向 として知られる市場の全体的な方向性を特定することである。テクニカル分析指向のトレー ダーの中には傾向を見て取引を試みる者もいるが、それとは反対の者もいる。そして、非常 に短期の現象を探す者もいれば、より長期的な観点をもつ者もいる。それでもなお、テクニ カル分析専門家の仕事は、選択された対象期間内に一般的な市場が向かう方向を特定するこ とに向けられる。チャートの形でまとめられ、表現されたデータを使用することは、明らか に数字が書かれた表をじっくりと眺めるよりも容易である。 取引量および未決済建玉は、テクニカル・アナリストが兆候を示す指標を確認するものと して用いられている。取引量は活動の一般的な水準を反映し、未決済建玉は資本の市場への 流入または市場からの流出の測度である。これらは、相場を示す兆候を裏付ける。たとえば、 未決済建玉の減少を伴う価格上昇は、取引動機のある買い手がその売建玉を買い戻す。すな わち市場から資本を引き上げていることを示唆する。 図表4. 2は、価格、取引量および未決済建玉の相対的な動きから描ける、一般的なテク ニカル分析の結論を表している。 テクニカル分析は、この限られた量の生データ(価格、取引量および未決済建玉)から、 視覚的チャート分析を補完する、驚くほど多くの数学アルゴリズムを創り出した。移動平均 等の計算には、傾向を特定する道具として利用されるものもある。たとえば、 「10 日移動平 均」は、直近 10 日の終値の平均である。チャートにすると、一般的な価格の方向性を描く 手助けとなる線が描かれる。 他の計算は、たとえば相対力指数(RSI:Relative Strength Index)のように、市場がその 傾向の中で進む速度を測定するために使用される。たとえば、 「14 日 RSI」は、最近 14 日 内に生じた上方向および下方向の価格変化を計算し、この数値を指数に変換する。これは、 最も強気の市場でさえ特定の時間はある程度までしか変化しない、という考え方が前提とな る。
オプション分析
先物オプションについては第6章で詳しく説明するが、オプション価格(プレミアム)の 68
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