Futures&Options

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- 第8章 金利先物・オプション
ジは、長期米国債や中期米国債の先物契約の価格、および特定の社債の現物価格の動きが、 過去の推移と密接に連動しない、もしくはクロスヘッジを設定した時点の予想どおりに推移 しない、というリスクに晒されるであろう。
金利先物オプションを使ったヘッジ
プットの買付け
先物オプションの流動性のある市場の発展は、借り手には、銀行やディーラーの店頭プッ ト ・ オプションにとって替わる費用効果が高い代替物、別名キャップが借り手に提供されて きた。取引所取引の先物オプションの買付けは、店頭オプションと同様、プレミアムの支払 いを必要とする。売建て先物ヘッジとは異なり、借り手は金利下落の場合にプットの買付け によって、オプションを放棄できるので、利益を得ることができる。取引所取引のオプショ ンが特に有利なのは、それらが相殺できることであり、そのようにして、ヘッジャーはポジ ションを管理するための柔軟性を手に入れる。さらに、カバーする金額も、異なる行使価格 を有するオプションの買付けまたは売付けによって増減させることができる。その結果、特 定かつ変化するニーズに合わせて、ヘッジをより入念に調整することもできる。
カラーおよびフェンス
カラーまたはフェンスは、それがどちらの名で呼ばれようとも、その考え方は同じである。 すなわち、ヘッジャーは、極端な価格効果を抑圧することでリスクを管理し、一方向への価 格変動に伴う費用を限定すると同時に、他方向への価格変動の利益の一部を放棄する。変動 金利債券商品を利用する借り手にとってカラーは、先物プット・オプションの買付けおよび それと同時に行う先物コールの売付けをすることで構築できる(金利下落を心配する短期現 物の投資家は、反対方向の取引をする。 )買い付けたプット ・ オプションの行使価格に反映 された金利で、カラーは資金の費用の上限を定めることができる。フロアの売付けは、プッ トの買付けの現物費用を減少させるために利用され、コールの行使価格に反映されたレベル 以下に金利が下がる場合には、反対に利益を得る能力を制限する。
考えてみよう
多くの住宅ローンや他の民間の債務商品の価格決定基準として、10 年米国債の金利が上 昇し 30 年米国債の金利が下落したことから、どのような先物市場の教訓をわれわれは学ん できただろうか。政治や経済の変化に伴い、どんな国の債務が先物市場の新設を正当化する ほど深刻になるのだろうか。 149
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