#2 為替リスク想定比率について

為替リスク想定比率の算出・公表

為替リスク想定比率は、通貨ペアのボラティリティを反映しています。
本協会は、この比率とそれをレバレッジに直した値をホームページで公表しています。
投資家は、この比率を把握することによって変動する外国為替市場のボラティリティを意識し、外国為替市場の変動リスクを認識することが可能となります。

法人向け証拠金規制について

FX業者が法人顧客を相手として取引を行う場合、新規約定時及び営業日ごとの一定の時刻における当該取引に係る証拠金率(証拠金額÷想定元本)が、金融庁告示の定めるところにより計算される為替リスク想定比率以上になるように証拠金の預託を受けることが法令(*1)により義務付けられています。
本協会では、170通貨ペアに係る為替リスク想定比率を週次で計算し、毎週金曜日に当該比率とそれをレバレッジに直した値(*2)をホ-ムペ-ジで公表しています。

・(*1)法人店頭FXに係る証拠金規制
・(*2)法人顧客との店頭外国為替証拠金取引における為替リスク想定比率の公表について

為替リスク想定比率の公表

本協会では、投資家とFX業者との情報の非対称性を解消するため、為替リスク想定比率とそれをレバレッジに直した値を協会のホームページで公表しています。このレバレッジに直した値は、値動きが激しいほど数値が小さくなります。通貨ペアによってかなりの違いがあり、新興国通貨については、値動きが激しいケースがあることがお分かりいただけると思います。このように、法人向け証拠金規制に伴い公表する為替想定比率は、投資家にとっても、取引対象となる通貨ペアのボラティリティを確認するためのツールとして活用できるものと考えられます。

為替リスク想定比率の算出方法

本協会における為替リスク想定比率の計算方法は、以下のとおりです。

1. 価格データの生成
1-1.為替リスク想定比率の算出に用いる価格データには、NEX Data Services Ltd(以下「NEX Data」といいます。)のFX Market Reference Rate を用いる。FX Market Reference Rate の生成は NEX Data により次の手順で行われる。
① 主要な通貨ペアについては、当該通貨ペアごとにEBS Market プラットフォームから各営業日における東京時間15 時の前後2 分30 秒の取引データを取得し、出来高加重平均価格(Volume Weighted Average Price。以下「VWAP」という。)を算出する。
② VWAP 算出に必要なデータが十分にとれない通貨ペアについては、 NEX Data が事前の取決めにより段階的な代替手段を以って価格データを生成する。

2. 直近26 週を対象とした数値の計算
2-1.基準日(毎週金曜日。以下同じ。)の属する週から起算して過去26 週の各営業日において、当日価格データ÷前日価格データの結果の自然対数を求める。
2-2.2-1の標準偏差を求め、片側99%をカバーするため、それに2.33を掛ける。

3. 直近130 週を対象とした数値の計算
3-1.基準日の属する週から起算して過去130 週の各営業日において、当日価格データ÷前日価格データの結果の自然対数を求める。
3-2.3-1の標準偏差を求め、片側99%をカバーするため、それに2.33を掛ける。

4. 為替リスク想定比率の決定
4-1.2-2と3-2を比べ、大きい方を為替リスク想定比率とする。

5. 為替リスク想定比率の公表
5-1.4-1の為替リスク想定比率及びそれをレバレッジに直したものを公表する。
為替リスク想定比率は、(4-1)×100 の値の小数点第3位を切上げて小数点第2位までの数字を公表する。レバレッジは、公表する為替リスク想定比率の逆数×100 の値の小数点第3位以下を切り捨てたものを公表する。

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